2023.3.10

アンドパッド、施工品質向上へ検査の標準化を実現するサービスを強化

蓄積した検査結果のデータ活用も視野に

クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を運営するアンドパッドは、住宅施工時の工程内自主検査を標準化して施工品質向上を実現する「ANDPAD検査」の提供を開始した。

「ANDPAD」は、現場の効率化から経営改善まで一元管理できるクラウド型建設プロジェクト管理サービスとしてトップシェアを占める、利用社数は15.6万社を超え、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されており、41.3万人の建設・建築関係者が利用している。「ANDPAD」のオプションとして、現場情報と検査業務を紐づけ、検査結果を入力できる「ANDPAD検査」を大幅にリニューアルし提供を開始した。建築基準法や瑕疵担保履行法という2つの法的基準として定められた領域以外の、各住宅会社が定める工程内自主検査が対象となる。近年、施工品質向上の観点から自主検査を標準化し、適切に実施できる体制を構築したいというニーズが高まっている。建築物省エネ法の改正で、省エネ対策が加速し、より高いレベルの省エネ性能が求められている。また、4号特例縮小に向けた動きも進み、耐震性能確認においても対応が求められている。住宅高性能化への要求は高まる一方で、大工、職人、現場監督の不足は加速している。設計通りの性能が確実に担保されているのか、施工品質を確保する上で検査の重要性が高まっているのだ。住宅を建てる際、次の工程に進む条件として、自社での検査完了を業務に組み込んでいる住宅会社も多くあり、検査状況の管理は工程管理とも密接に紐づく重要なマイルストーンとなっている。

新「ANDPAD検査」には、横断管理機能などを新たに追加した

同社には「各工程に合わせ、適切な検査を実施することが施工品質向上に直結するため、会社として複数現場の検査状況をリアルタイムに把握をしたい」、「検査の傾向を基に施工基準を改訂したい」などの要望が寄せられていた。こうした声に対応して、新「ANDPAD検査」を開発した。新「ANDPAD検査」では、検査シートのテンプレートを作成、検査項目や業務の標準化を実現する。専用のアプリから検査の合否結果を入力でき、写真登録などもスムーズに行える。また、是正対応の担当者も、検査結果および是正指示をすぐに確認できる機能がある。共有漏れ・対応漏れを防ぐ。さらに、検査の実施管理から是正対応まで複数現場を横断して進捗状況が確認できる機能も新たに搭載した。

検査結果の連絡、是正の指示などは、紙もしくは口頭で行われている現場はまだまだ多いのが実情だという。複数の現場を担当する現場監督は、どこの現場で検査を実施し、是正指示を出したのか、是正の対応は適切に行われたのか、頭の中だけで全てを把握するには限界がある。「人為的なミス、共有漏れ・対応漏れをなくすために新たな機能を追加した」(同社)。

新「ANDPAD検査」では、現場監督ごとの検査業務の進捗状況を一覧で確認することができる。紙で運用している場合には把握しづらい検査実態を見える化することによって「検査の傾向を基に施工基準を改訂したい」という要望にも対応していく。「検査業務の標準化に取り組みたいと考えているが、どこから着手して良いかわからないという住宅会社は多い。新『ANDPAD検査』導入を一つのきっかけにして、検査業務の標準化を進めてほしい」(同社)。