2023.3.9

絆ジャパン、定借住宅のノウハウを地域工務店向けに提供

住宅取得環境の厳しさ増すなか“三方得”のビジネスモデル

住宅価格高騰で住宅取得が厳しくなるなか、絆ジャパンは地域工務店に向けて「定借System」の販売を開始した。“三方得”をキーワードに新たなビジネスモデルを提案する。

「定借System は“三方よし”のシステム」と語る増田社長

絆ジャパン(東京都新宿区、増田文彦社長)が定期借地権付き分譲住宅事業の導入から立ち上げまでをパッケージとした「定借System」を開発、地域の住宅事業者に対しての販売を開始した。

定期借地権は1992年に制定された借地借家法によって規定された借地権の一つの形態。従来の借地権が借地権者にとって有利で地主側にとって不利と設けられた制度で、当初定められた契約期間で借地関係が終了し、更新できない。

この制度導入により生まれたのが「定期借地権付き住宅(定借住宅)」だ。保証金・権利金はかかるものの、土地購入代金がかからず、通常の所有権付き分譲住宅に比べて安く購入でき、地代を払う必要があるが固定資産税などの税金がかからないなどのメリットがあり、持家、貸家に次ぐ第三の住まいの形態として注目を集めた。(公財)日本住宅総合センターの「定期借地権事例調査」によると、定借住宅の供給は1993年の発売以降急拡大し、1995~2004年の10年間は戸建住宅、マンションをあわせて3000~5000戸の間で推移したが、その後縮小し、2016年以降は700~1100戸程度で推移している。

こうしたなかで絆ジャパンは「工務店のための定借Systemは日本初、地権者、住宅購入者、そして地域の工務店の“三方得”のシステム」として打ち出した。

コロナ禍を通じて好調だったのが分譲住宅市場。リモートワークの普及、在宅時間の増加などを背景に郊外の広めの住宅の人気が高まった。一方、建築費が高騰し一次取得者の住宅の取得環境は厳しさを増している。加えて「スマートハウス、省エネ、太陽光や蓄電など住宅建設費はますます高騰すると考えられ、分譲住宅でさえ第一次取得者層に買えるのか」(NPO法人 絆総合研究所・松葉民樹理事)と指摘する。その第一次取得層は「ゆとり世代」と呼ばれ、省エネやコスパを重視し、持たない暮らしに憧れるデジタルネイティブ世代と言われる。

一方、土地オーナーは相続税の重税化、固定資産税の上昇、アパートの空き室増加、金利上昇によるローン返済の負担増などを背景に、アパート建設などに消極的で土地を貸したいと考えていると分析する。

地域の工務店や不動産事業者は地域密着型というアドバンテージを持っており、住宅需要者と土地オーナーとをマッチングする定期借地権付き分譲住宅に活路を見出せると、「定借System」を提案する。競合が少なく他社と差別化ができる、最小資金で最大収益が見込める、資本回転率が向上し高収益へと体質改善できるなどが事業のメリットだ。

「定借System」は、「絆 憲法21ヶ条」と呼ぶ事業のマニュアル、地主や購入者に配布するツール(DVD)、契約書など一式の3点セットで、そのほか地主や購入見込み者向けセミナーの講師協力、営業サポート、SNS戦略による創客支援、見込み客の送客なども行う。導入費用は396万円、会費5.5万円(初年度は無料)で、初年度120社の加盟を目標に掲げている。

住宅市場の環境変化、ユーザーの意識変化のなか、定期借地権付き住宅があらためて注目を集めつつある。