住宅・建築分野のGX投資は10年間で14兆円以上
2025年までに断熱窓に集中的に支援を実施
グリーントランスフォーメーション実現に向けた基本方針が閣議決定された。住宅・建築分野では、省エネやCO2削減に対し10年間で14兆円以上のGX投資が明記された。
「GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~」が閣議決定された。グリーントランスフォーメーション(GX)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長を同時に実現することを目的に取りまとめられた。
具体的には、エネルギー安定供給の確保に向け徹底した省エネに加え、再エネや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換GXに向けた脱炭素の取り組みを進める。
今後の対応として「徹底した省エネルギーの推進」として、家庭向けには「関係省庁で連携して、省エネ効果の高い断熱窓への改修など住宅の省エネ化に対する支援について、統一窓口を設けワンストップ対応により強化するなど、国民の協力や取り組みを自然な形で促すとともに、それが国民の快適なライフスタイルとして定着し得るよう消費者に対して省エネの取り組みへの理解と消費行動変化を促す施策等を進める」。また、「再生可能エネルギーの主力電源化」では、2030年度の電源構成に占める再生可能エネルギー比率36~38%の確実な達成を目指し、直ちに取り組む対応として「太陽光発電の適地への最大限導入に向け、関係省庁・機関が一体となって、公共施設、住宅、工場・倉庫、空港、鉄道などへの太陽光パネルの設置拡大を進める」とした。太陽光発電の普及・拡大の課題として指摘される廃棄問題については、昨年7月にスタートした廃棄等費用積立制度を着実に運用するとともに、2030年代の後半に想定される大量廃棄に十分対処できるよう計画的に対応すると記載された。
CO2削減に
非住宅・中高層の木材利用も推進
住宅・建築物の分野では、2025年の省エネ基準への適合義務化、2030年度以降のZEH・ZEB水準の省エネ性能の確保、ストックの性能向上に向け、省エネ性能の高い住宅・建築物の新築や省エネ改修に対する支援を強化する。また、建材トップランナー制度の2030年度目標値の早期改定・対象拡大も目指す。
今後10年を見据えたロードマップでは、2030年に向け、ZEH・ZEB水準の省エネ性の高い新築住宅・建築物の普及、省エネリフォームの拡大、断熱窓等の建材における省エネ基準の強化、導入の促進、木造建築物の普及拡大に取り組む。
省エネへの投資としては、新築はZEH・ZEB水準の省エネ性能を持つ住宅・建築物に必要な投資、既築は省エネ性能の低い住宅・建築物の省エネ改修に必要な投資を行う。建材トップランナー目標値を大きく上回る断熱窓の開発・普及に必要な投資も行う。特に、2025年までに断熱窓導入の集中的支援を行い、26~30年にさらに性能が高い建材(断熱窓を含む)の普及拡大を進める。一方、CO2削減へ投資として、非住宅・中高層の建築物等木材利用に必要な投資を行う。
これらをあわせ、今後10年間で約14兆円以上の投資を実施するとした。
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