実務に影響が出る前に対策を 住宅業界でも対応迫られるインボイス制度
業務のデジタル化を推進する好機にも
2023年10月から導入されるインボイス制度。対応次第では、消費税の税額控除額が縮小し、元請業者の税負担が増えてしまう懸念がある。住宅事業者は、このインボイス制度に対して、どのような対応策を講じるべきなのだろうか──。
インボイス制度による経営への影響とは?
「インボイス(適格請求書)」とは、売手が買手へ正確な適応税率や消費税額等を伝えるための手段で、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まる2023年10月以降、元請業者が仕入れ税額控除を受けるためには、税務署の登録を受けた適格請求書発行事業者が発行したインボイスの受領が必要になる。
アンドパッド社の試算によると、年間50~100棟クラスの住宅事業者の場合、インボイス制度開始によって月に220万円もの税負担が増えることもあり得るという。あくまでも一定の条件下での試算ではあるが、年間では2640万円の負担増になる計算となる。
経理業務にも大きな負荷と影響を与えるインボイス制度
さらに、制度開始後は元請業者の現場、特に経理業務にも大きな負担が強いられる。記載要件を満たしたインボイスを協力会社から回収し、間違いや抜け漏れがないことを確認しなければならない。例えばインボイスには、国税庁に登録されている適格請求書発行事業者の登録番号を記載することになっているが、この番号に誤りがないかという確認も元請業者がしなければならない。協力会社の記載ミスや、FAXでの送信によって文字がつぶれている場合などに注意しながら、膨大な量の請求書に記載された登録番号を1枚1枚確認しなくてはならないのだ。
しかも、インボイスは7年間保管が原則だが、協力会社が発行した適格請求書を元請業者が修正することは許されていない。つまり、登録番号や金額などが間違っていれば、再度、協力会社に依頼して修正された請求書を送ってもらう手間とやりとりが生じる。
ANDPADが提供するインボイス制度対応への近道とは!?
住宅事業者に、税負担と業務負荷の増大を招く恐れがあるインボイス制度。その状況に対する解決策を提供するのがアンドパッド社が展開するクラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」だ。
アンドパッドでは、建設会社のインボイス制度対応のための機能の実装を進めている。
①適格請求書のフォーマット準備と請求書記載内容の確認作業の自動化
国税庁のデータベースと連携する形で協力会社の登録番号の正誤チェックを自動化している。加えて、インボイス制度開始後は登録された番号がANDPAD受発注で提供される適格請求書指定要件フォーマット機能に自動反映されるようになり、元請業者と協力会社、それぞれの業務負荷を大幅に削減する
②法令要件を満たした電子保存
また、ANDPAD受発注は、建設業法、電子帳簿保存法などの関連法令の要件を満たしたシステムであり、発注書や発注請書、請求書などを適切に保存することができる。
③会計ソフトへの仕訳連携までを一気通貫で実現
さらに、インボイス制度によって消費税パターンや帳簿記載項目が増えることを考慮した仕訳データのCSV出力、会計ソフトとの連携を図ることも可能になる。
その他にも、インボイス制度への対応を図るための機能を順次強化させていく方針だ。
同社ERP&EDI事業部の渡部耕太郎部長は、「インボイス制度の開始は、業務のデジタル化に踏み切るチャンスでもあります。我々はANDPADを通じて、住宅事業者の方々がよりスムーズに業務改革を行える環境を提供しています。インボイス制度の開始まで時間的な猶予はありません。今こそ業務改革に取り組むチャンスです」と語る。
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