高耐震化は当たり前 建替え保証拡大の兆し 水害に強い住宅づくりも加速

拡大必須の注目マーケット 防災住宅市場

2023年は関東大震災の発生から100年という節目の年であり、住宅・建築物の防災力強化、特に耐震化に向けた動きが加速しそうだ。近年、頻発化、甚大化する風水害への対策の重要性も高まっている。

内閣府が2022年12月に5年ぶりに公表した「防災に関する世論調査」において、「自然災害への対処などを家族や身近な人と話し合ったことの有無」を聞いたところ、61.4%の人が「ある」、36.9%が「ない」と回答。年代別に見ると、40歳~49歳が最も多く「ある」(68.5%)、「ない」(30.8%)であった。前回調査では、「ある」(57.7%)、「ない」(41.7%)であったことから、災害への意識が高まっていることがうかがえる。また、居住地域の自然災害への対策で「どのような情報を充実してほしいか」を聞いたところ、最も多かった回答は、「災害危険箇所を示した地図やハザードマップ」(51.5%)で、前回の36.4%から大きく増えた。次いで「避難場所・避難経路」の47.7%(前回47.5%)、「過去に災害が発生した場所を示す地図」の43%(同27%)が続く。ハザードマップなどの災害関連情報の充実を求める人が大幅に増加していることが判明した。

関東大震災から100年 耐震化加速の重要な年に

2023年は、1923年9月に関東大震災が発生してから100年となる節目の年となり、防災意識を高めようとするイベントが全国各地で開催される。また、遠くない将来に確実に起こるといわれているのが、南海トラフ地震と首都直下型地震である。マグニチュード8〜9クラスの地震の30年以内の発生確率が70〜80%とされている。南海トラフ地震や首都圏直下地震への危機感も相まって、防災意識が高まる機会を捉えて、住宅、建築物の耐震化を一層進めていくことが重要になる。先の防災に関する世論調査で、地震対策について「大地震に備えて、どのような対策をとっていますか」との問いには、「停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備している」(54.2%)などの回答が上位に上がり、「特にない」は13.9%であった。前回調査の「特にない」(10.4%)から微増しており、災害への意識は高まりつつも、具体的な対策を取るまでに至っていない人も一定数存在することがわかった。


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