住宅のプロダクト化が進行 タイパ、コスパ求める層に合致 建築家とコラボした規格住宅も

拡大必須の注目マーケット 規格住宅市場

規格型住宅市場が盛況だ。資材価格、住宅価格の高騰は収まる気配はなく、2023年も、時間、手間をかけず、コストを抑えて合理的に家づくりを行える規格住宅への支持が高まりそうだ。

近年、費やした時間に対して得られる成果・満足度を指すタイムパフォーマンスを略した「タイパ」という言葉が注目を集めている。一般公募を基に「今年多くの人に使われ、将来的に辞書に載ってもおかしくない言葉」を選ぶ「三省堂・辞書を編む人が選ぶ『今年の新語』」において2022年の対象に選出されたのは「タイパ」であった。若い世代を中心に、特に動画の分野で時間を節約する傾向が顕著に見られるようで、「倍速視聴」や「ファスト動画」などに表れた時代の価値観を表す言葉として大賞に選ばれた。住宅購入者の大多数を占める一次取得者層は20代~30代の共働き世代であり、住宅づくりにおいても、できる限り時間や手間をかけずに、かつ最大の成果・満足を得たいという、タイパを求めるニーズが高まっている。

タイパとあわせて、コストパフォーマンスを略した「コスパ」のニーズも、物価高騰が襲う日本において急激に高まっている。日経MJが発表したヒット商品番付で東の横綱に選ばれたのは、「コスパ&タイパ」であった。2022年は、ウッドショック、アイアンショック、ロシアのウクライナ侵攻などの影響により、建築資材全般において物価が高騰、住宅価格の値上がりが続く。大手ハウスメーカーのトップは、「鋼材、木材、非鉄、樹脂など、資材高騰は2021年度後半よりさらに加速している。多くの住宅会社は、2020年度比で1棟当たり約250万円前後の価格アップをせざるを得ない状況と見ている」(2022年10月時点)と話す。住宅づくりにおいてもコスパはこれまで以上に重要な意味を持ち始めている。

セミオーダーの規格住宅が人気
VRの見せ方で差別化も


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