老若男女問わず身の丈に合った平屋が人気 マーケットは10年で2倍に

拡大必須の注目マーケット 平屋市場

世帯あたりの人数の減少に伴い、老若男女問わず、身の丈にあった住空間を求める人が増え、平屋のニーズが高まっている。住宅会社各社は、高級路線と廉価路線で平屋の新商品を拡充し、需要の取り込みを狙う。

国土交通省の「建築着工統計調査」によると、平屋住宅の新築着工数は、2010年度は2万6915棟であったが2020年度は4万7452棟と倍近く伸びている。また、居住専用住宅のうち平屋の割合は、2010年度に6.19%だったが2020年度には11.5%と、10年で約2倍に増えており、住宅全体の着工数が伸び悩むなかでも、平屋については堅調に市場を拡大させている。

平屋市場は2010年度くらいから徐々に伸びているが、注目すべきは消費税率引き上げの影響などにより、2016年度以降に戸建住宅全体の着工数が減少に転じているなかでも、平屋の着工数は増加している点だ。しかも、年間の増加棟数は2015年度あたりまでは2000棟程度だったが、16年度あたりから3000~3500棟と増加の度合が増している。また、居住専用住宅に占める平屋割合の年度ごとの伸び率についても、2015年度くらいまでは3~4ポイント増だったが、2016年度以降は6~8ポイント増と倍増している。住宅市場全体の縮小傾向とは反対に、平屋市場はより需要が高まっている傾向が見て取れる。世帯人数の減少も、若者の一次取得者層で平屋人気が加速している要因の一つだ。総務省の「2020年国勢調査」によると、平均世帯人数(1世帯当たりの人数)は全国平均で2.27人と、単身世帯や夫婦のみといった世帯の割合が多くなっている。かつての標準世帯を想定した2階建ての間取りでは、広すぎると感じる世帯がより増えており、その受け皿として平屋への注目度が増し、従来のシニア層に加え、若年の一次取得者層による需要がさらに高まっている。

高級路線と廉価路線で商品拡充


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