[2022年の重大ニュース]CCUS登録者が100万人を突破

建設労働者の処遇改善へ待ったなし

建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者数が100万人を突破した。一方、デジタルの力で人材不足を補おうとする動きも活発化している。

国土交通省では、建設技能者の技能・経験を客観的に評価するとともに、処遇改善につなげるため、業界団体と一丸となって「建設キャリアアップシステム」(CCUS)を推進してきた。2022年11月末に登録技能者が約102万人となり、100万人の大台を超えた。技能者の3人に1人が利用する水準に至ったこととなる。

建設技能者の減少、不足は年々深刻化している。建設投資、許可業者数及び就業者数の推移を見ると、建設投資額はピーク時の1992年度の約84兆円から2011年度の約42兆円まで落ち込んだが、その後、増加に転じ、2021年度は約58.4兆円となった。とはいえ、ピークから約31%減少だ。

2020年度末の建設業者数は約47万業者で、ピーク時の1999度末から約21%減少、2020度の建設業就業者数は492万人でピーク時の1997年から約28%減少している。建設業就業者は、55歳以上が約36%、29歳以下が約12%と、他産業に比べて高齢化が進行し、次世代への技術承継が大きな課題となっている。

CCUSは、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組み。建設技能者の処遇改善の一環として、若い世代にキャリアパスと処遇の見通しを示し、技能と経験に応じ給与を引き上げ、将来にわたって建設業の担い手を確保し、ひいては、建設産業全体の価格交渉力を向上させるものとして、2018年10月からスタートし、国土交通省の肝入りで導入促進が図られてきた。

2024年度から開始される超過勤務の上限規制などにより、他産業と比べて長いとされる労働時間の短縮に向けた取り組みが進むが、週休2日制を進める上でも、労務費、賃金の上昇を求める意見も多く聞かれる。

建設業就業者の高齢化の進行

今後、登録技能者の処遇改善を着実に進めるため、CCUSで示された技能・経験に応じてレベル別に賃金目安を示し、職種ごとにレベルに合わせて賃金が上昇していくよう促す方針だ。国交省が2022年8月に設置した「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」を通じ、システムの発展的な活用の可能性を検討していく。

より深刻な大工、職人の減少
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