[2022年の重大ニュース]デジタル田園都市国家構想が本格始動

データ連携、地域連携が新しい社会をもたらす

デジタル田園都市国家構想の基本方針がまとまり、これからの地域づくりの姿が示された。この12月には総合戦略が策定、目指すべき地域ビジョンに向け、新たなまちづくりが始まる。

2022年6月、「デジタル田園都市国家構想基本方針」が閣議決定され、デジタル田園都市へ向けた取り組みが動き出した。

デジタル田園都市国家構想」は、これまで取り組まれてきた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に代わる地域づくりの取り組み。2021年に岸田政権が「新しい資本主義」の具体的な施策の一つとして打ち出したもので、官民一体となってデジタル技術を活用することで、地方の社会課題を解決し、持続可能な経済社会の実現や新たな成長を促す。

基本方針では、2024年度末までにデジタルの実装に取り組む地方公共団体1000団体の達成に向け、AI、IoTなどの先進技術や官民データなどを地域づくり・まちづくりに取り入れた「スマートシティ」を2025年度までに100地域構築するため、デジタルを活用して地域づくり・まちづくりを推進するハブとなる経営人材の国内100地域への展開や、デジタル基盤整備のため2027年度末までに光ファイバーの世帯カバー率99・9%達成、日本周回の海底ケーブル(デジタル田園都市スーパーハイウェイ)を2025年度末までに完成などの目標を掲げた。

スマートホームを中心としたデータ連携のサイクル

また、構想の実現に向けた地方の取り組みを促すため、イメージしやすいビジョンの類型として「スマートシティ・スーパーシティ」、「”デジ活”中山間地域」、「産学官協創都市」、「SDGs未来都市」、「脱炭素先行地域」、「MaaS実装地域」の6つの地域ビジョンを示した。

「スマートシティ」は、内閣府の「統合イノベーション2019」で、ICTなどの新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営など)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決、価値を創出する「Society5.0」の先行的な実現の場として位置づけており、省庁横断で事業の取り組みが進んでいる。例えば、トヨタホーム、イオンリテールなどは2022年5月、埼玉県久喜市で次世代の街づくりプロジェクト「BRIDGE LIFE Platform 南栗橋(ブリッジ ライフ プラットフォーム南栗橋)」の街びらきを行い、モビリティサービスの実証実験などを行っている。

「スーパーシティ」は2030年頃に実現される未来社会の先行実現を目指すもので、茨城県つくば市と大阪府大阪市が指定されている。2022年4月に国家戦略特区に新たに加えられ、複数分野の大胆な規制改革と併せ、データ連携基盤を共同で活用して複数の先端的サービスを官民連携により実装する「スーパーシティ型国家戦略特区」として、デジタル田園都市国家構想の先導を期待する。

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