大手ハウスメーカー 2022年度上期決算
際立つ海外事業の好調、円安、資材高騰などビハインドも 多くの企業が増収増益を達成
大手ハウスメーカーの2022年度の上期決算が出そろった。円安、資材高騰などの影響により、国内の戸建住宅事業で苦戦するも、国内の賃貸事業、分譲戸建、マンションによる街づくり事業などが好調な企業や、海外の住宅事業の急成長が目立つ企業が多く、通期も増収増益を見込む企業が大勢を占める。
大和ハウス工業
米国住宅事業は881億円増
過去最高売上をけん引
大和ハウス工業の2023年3月期 上期決算は、売上高は過去最高の2兆2613億円となり、2期連続の増収。営業利益については、1546億円となり、前年比57億円の減益となった。
米国住宅をはじめとする海外事業が拡大したほか、コロナが落ち着き、社会経済活動の持ち直しが進んだことにより、国内の事業環境は回復傾向にある。一方で、開発物件売却高は減少、資材価格高騰の影響により原価率は悪化した。
セグメント別に見ると、戸建住宅事業は海外事業のけん引により増収増益となった。売上高は同830億円増の4328億円、営業利益は同29億円増の195億円となった。海外事業については、潜在需要は引き続き高いものの、金利上昇の影響などを受けて、足元では購入予定者の資金力・購買意欲が低下傾向にある。一方、賃貸用戸建のニーズの高まりを受け、投資家への一括販売を実施した。海外戸建事業の売上高は2064億円。うち米国での住宅事業の売上高は1788億円(同881億円増)と急成長している。国内については、ZEH比率は77%まで上昇し、販売単価の上昇に貢献。しかし、ニューノーマル需要の一服感もあり新規契約はマイナスとなった。
賃貸住宅事業は、グループ間の連携強化が奏功。請負・分譲、賃貸・管理とも成長し増収増益。マンション事業も、完成在庫・当期竣工物件の販売が好調に推移し増収増益となった。
なお、世界的な資材価格高騰の影響がさらに拡大する懸念があるため、グループ全体で1兆円に上る集中購買力を生かし、原価削減に取り組む。
積水ハウス
土地仕入れ強化で分譲住宅事業が伸長
海外事業も大幅な増収増益
積水ハウスの2023年1月期 上期決算は、売上高は、前年同期比16.3%増の1兆4236億円、営業利益は同33.5%増の1464億円となり、上期として、ともにこれまでの実績を大幅に更新し過去最高となった。
セグメント別に見ると、請負型ビジネスの戸建・賃貸事業はともに昨年から続く資材高騰の影響を受けるも、高付加価値住宅の提案やボリューム効果もあり増収増益。戸建住宅同様、賃貸住宅でも「シャーメゾンZEH」を推進し、ZEH化比率61%と目標の50%を大きく上回る受注を獲得した。
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