[国土交通省:首都圏白書]首都圏でさらに広がるテレワーク 脱炭素化の観点からも重要な役割担う

白書を読み解く(後編)

コロナ禍以降、急速に普及するテレワーク。脱炭素社会の実現という観点でもテレワークの普及がもたらす影響は大きく、今後の住まいや街のあり方にも一石を投じることになりそうだ。

国土交通省が発表した「令和3年度 テレワーク人口実態調査」の結果によると、令和3年度における雇用型テレワーカーの割合は27.0%であった。前年度から4ポイント増加し、過去最高を更新した。コロナ禍の影響により急速な広がりを見せたテレワークは、もはや日本人の働き方のひとつとして定着したと言っていいだろう。

首都圏のテレワーク率は約4割
今後の意向も踏まえると5割にも

図1 テレワーカー率の推移

同じく「テレワーク人口実態調査」をもとに国土交通省が推計したテレワーク率(テレワークを経験した就業者の割合)を見ていくと、令和元年以降一貫して上昇する傾向にあり、首都圏に限ると令和3年度に約4割に達している。東京都区部に限ると、52.1%という状況だ。

首都圏におけるテレワーク率を職種別に見ていくと、管理職、研究職、専門・技術職、事務職、販売・営業が高くなっている。
さらに、テレワークを実施したことのない就業者も含めた今後のテレワーク実施意向まで考慮すると、テレワーカー率は首都圏全体で約5割に達する可能性があるという。

首都圏でテレワークを行う場所については自宅が最も多く、今後の意向も含めると9割を超えている。

令和3年度の市区町村別の自宅テレワーカー率を推計した結果によると、とくに東京都区部で高く、なかには40%を超える地域もある。25%以上となる地域は、概ね都心から60㎞圏内にあり、都心部に近いほどテレワーク率が高まる傾向にあるようだ。
今後のテレワーク実施意向に基づく自宅テレワーカー率については、周辺4県も含め、30%以上の地域が首都圏で全体的に広がっている。

テレワーカー率の上昇によるCO2削減率は首都圏全体で9.7%


この記事はプレミアム会員限定記事です。
プレミアム会員になると続きをお読みいただけます。

新規会員登録

(無料会員登録後にプレミアム会員へのアップグレードが可能になります)

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。