大東建託、災害配慮型賃貸住宅の第2弾を開発
備蓄とコミュニティ形成で在宅避難可能に
災害時の「在宅避難」に着目した災害配慮型の2階建賃貸住宅として、「ぼ・く・ラボ賃貸 yell(エール)」の販売を開始した。災害時の「在宅避難」に着目。「備蓄」スペースを確保し、「コミュニティ形成」を促す工夫を取り入れた。
防災プロジェクト“防災と暮らし研究室「ぼ・く・ラボ」”の取り組みの一環として、日常時の暮らしが非常時の備えにもなる「フェーズフリー」な賃貸住宅の開発に取り組んでおり、今回の商品は、3月11日に販売を開始した戸建の賃貸住宅商品「ぼ・く・ラボ賃貸 niimo(ニーモ)」に続く第2弾となる。
エールの開発にあたり「在宅避難」に着目した。同社の防災アドバイザーNPO法人プラス・アーツによると、過去の被災経験を調査した結果、ライフライン停止期間の多くは7日以上と長期に及ぶことがわかっている。さらに、近年は避難所不足が深刻化しており、自宅で避難生活を送る「在宅避難」も重要な選択肢の一つとして注目されている。
そこで、エールでは、随所に収納スペースを設け、同社の従来商品と比較し2倍の収納量を確保した。備蓄品も、パントリー、ライブラリー、ウォークインクローゼット、リネン棚など、用途に合わせた場所に収納できるため、普段使いも快適な防災を実現する。
また、災害の発生時には、「共助」も重要なキーワードになる。内閣府の「大規模地震災害による人的被害の予測」によると、阪神・淡路大震災における救出のうち、「公序による救出」は3割未満で、約77%は「近隣住民などによる救出」であった。「平時から近隣住民同士で、雰囲気の良い関係が災害時には、支えあえる」(同社)。そこで、エールでは、住民同士のコミュニティを育む空間を確保した。各住戸に従来より広く、くつろぎやすいサンルームとバルコニーを設け、空間と外部とつながる窓辺に自然と居住者の意識が向くように工夫した。住民同士のコミュニケーションのきっかけづくりを促し、“もしも”の時に助け合う「共助」の力を創出する。
地域に寄り添う2つのオプション
公助に頼らない自主防災力の強化に向け、災害時における地域住民の共助に役立つ2つの防災オプションも用意した。一つは、太陽光発電設備に蓄電池をプラスした「DK―ZEHα」。災害などによる停電時は、電源を開放し、地域防災に貢献する。もう一つは、各住戸のエアコンの室外機などと共に、屋外に備蓄しておく防災備蓄ボックス。ボックスの中には、地域の人も使用できる、もしものときに役立つ軍手やブルーシートなどの防災アイテムが入っている。平時は、木目調ルーバーで目隠しをして外観を損なわないように配慮している。「居住者同士のつながりだけでなく、地域社会の一員として地域にも寄り添える賃貸住宅として、災害時の『備え』を強化することで、地域を支える防災へもつなげていきたい」(同社)考えだ。
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