2022.9.26

旭化成ホームズ、賃貸併用住宅仕様化から40年 価値を再考察

家族の変化に合わせ、自宅と賃貸部の境界も柔軟に変化

賃貸併用住宅の仕様化から40周年を期に、オーナー調査を実施し価値を再考察した。「経済価値」に加えて「くらし価値」向上に寄与していること、家族の変化などに合わせて自宅と賃貸の境界線を柔軟に変化させているオーナーがいることなどが判明した。

オーナー家族人数は減少傾向
専門会社の管理が主流に

調査は、2021年7月~8月、ヘーベルハウス賃貸併用住宅のオーナーへの郵送によるアンケートに加え、同社データベースから建物情報を取得し、アンケート回答に加えて分析を行った。

回答者は建設当初で50‐60代が中心で、回答時点では60代以上が半数を占めていた。同居家族人数は建設当初で築21‐30年の群の3.8人から築1‐5年では3.1人まで減少し、家族の少人数化が進んでいることが判明。一方で築21‐30年の群では当初から1.3人減り現在は2.5人となるなど、経年による家族の減少も明らかとなった。

賃貸併⽤住宅のメリット 築1─10年

家族タイプで見ると、人数の多い「親子同居」、「夫妻等+子」が減って、より少人数の家族タイプへと経年によりシフトしている。1998年調査との比較では計画スタート時点で賃貸併用を考えた率が56%→79%と上昇し賃貸併用住宅が選択肢として定着してきたことが判明。また総合満足度も88%→97%と上昇している。また、1998年調査では60%が自己管理だったものが、今回調査の築1‐10年では3%しかおらず、同社で管理しているものが80%、うち一括借上げ75%を占めた。オーナー自身が管理する時代から、専門の管理会社が管理する時代へと変わってきている。

土地活用の状況を見ると、サンプリングの中心となっている築1‐10年の建設地は、東京都が73%を占め、築11‐30年から数%減ったものの未だ東京都中心の状況が続いている。しかし、千葉、埼玉、神奈川の3県は近年増加傾向にあり、さらに、中京、関西の都市部などの高家賃エリアでも、賃貸併用住宅への興味を持つオーナー候補は半数を超える割合で存在することも判明した。

築1‐10年の賃貸併用住宅では、平均して敷地面積の1.38倍の延べ面積が建築されており、都市の高度利用が求められている中で、賃貸併用住宅の特性を活かせていることが確認できた。

建物の状況については、3階建てが67%(築1‐10年)を占め、4‐5階建てと合わせて7割を超えている。自宅と賃貸の上下関係は階数が高くなるほど、最上階に自宅がある割合が多くなる傾向が分かった。3階建てでは、最上階自宅型が67%、両用型を合わせると77%に達する。

ワンフロア生活住戸など「くらし価値」向上の多様な事例


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