2022.9.13

ケネディクスが賃貸戸建ファンド事業を拡大し年内1000戸へ

新たにスマートミラーを導入し高付加価値化も

ケネディクスは賃貸戸建住宅の展開を加速する。このほど215戸を追加取得、累計取得戸数を486戸とした。また、年内にも2倍超となる500戸以上を追加取得する考えで、累計戸数1000戸以上を目指す。

追加取得した物件の外観

投資信託事業を展開するケネディクス(東京都千代田区、宮島大祐社長)は、一都三県に所在する賃貸戸建住宅を投資対象とするファンド「Kolet(コレット)」を展開する。賃貸戸建住宅は一物件当たりの投資規模が小さいことなどから、これまでファンドとして組成される事例はあまり見られなかったが、米国ではコロナ禍で注目が高まり投資事例が増えている。同社は昨年8月に独自の取り組みを推進することでファンド投資家、金融機関からの投資需要を喚起、賃貸戸建住宅の市場拡大に取り組んできた。

このほど新たに215戸の追加取得で、取扱件数を486戸とした。さらに年内に500戸超を追加供給し、累計投資戸数1000戸以上を目指し普及スピードを加速させる。

同社は、大手戸建分譲事業者3社(飯田グループホールディングス、オープンハウス、三栄建築設計)と協調体制を構築しており、3社が建築、販売する戸建分譲住宅をケネディクスが買取り、戸建賃貸住宅Koletのブランドで展開する。原則として一都三県に所在する床面積70㎡以上、2〜3階建ての賃貸戸建住宅で、LDK以外に3部屋以上完備のゆとりある間取りを備えた快適な住空間を提供する。

また、Koletは昨今のIoT化、スマートホームサービスの導入により賃貸住宅の高付加価値化を図る動きが活発化していることから、アクセルラボ(東京都渋谷区、小暮学社長)が開発したスマートライフプラットフォーム「SpaceCore(スペースコア)」を標準搭載、IoT化された住宅設備やスマート家電による生活の利便性物件価値、ユーザーエクスペリエンス(製品やサービスに対しての利用者の体験)の向上を実現。スマートホームを導入することで、賃貸マンションとの差別化を図ると共に、マンションと比較した際の戸建にまつわる顧客の不満(セキュリティ面など)もIotで解消し、付加価値を創出する。「賃貸住宅市場においては単身者向けの新規供給が大多数を占めている”戸建を借りる=レントハウス”という新しい住まいの選択肢を用意することで、ファンドの投資家のみならず、子育て世帯を始めとする、よりゆとりのある住まいを求めるニーズを発掘し、潜在的需要層にも貢献していきたい」(同社)考えだ。

Koletは、稼働率・賃料ともに当初予定を上回る水準で成約しており、2022年2月までに取得した賃貸戸建住宅の平均稼働率は98・2%に達する。都心から離れた郊外では、家賃10万円台前半で床面積100㎡のものから、都心部では家賃30万円台後半の高級物件まで取り揃えており、リーシング状況を見ると、借り手の世帯収入は600万~1600万円台をボリュームゾーンに幅広く分布。30~40代のヤングファミリー層が主体で世帯人数は2人~4人が大半を占めるほか、新婚世帯からの人気も高い。新婚世帯は子供の出産数など将来設計が定まっておらず戸建住宅の購入はハードルが高いが、賃貸なら気軽に借りることができるため、一旦、賃貸で結婚生活を送るというニーズが発生している。

さらに、入居理由別でリーシング状況を見ると、「転勤」が29%、「現住居が手狭なため」が22%、「職場環境の変化」が17%と、上位3つ全てが広さにまつわるものになっている。「ライフステージの変化から住宅に広さを求める顧客が増加しており、主要なターゲット層になっている」(同社)。

次世代型スマートミラー「MIRROR FIT(. ミラーフィット)」をPRする(左から)アクセルラボ取締役 宇田川大輔氏、ケネディクス投資第四部長 市川悠氏、ミラーフィット社長 黄皓氏

スマートミラーを実装
機能を集約し、IoT機器を利用しやすく

そして今回、新たに取得した賃貸戸建住宅215戸全戸に、さらなる高付加価値化の一環として、ミラーフィット(東京都渋谷区、黄皓社長)が提供する次世代型スマートミラー「MIRROR FIT.(ミラーフィット)」を導入した。


この記事は会員限定記事です。
無料会員になると続きをお読みいただけます。

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。