三重苦のなかでの繰り言/伝説(?)の四季の住まい
三重苦のなかでの繰り言
〈おそるべき君らの乳房夏来る〉。新興俳句の鬼才、西東三鬼の句だ。太平洋戦争が終わった翌年の昭和21年(1946)に詠んだ句だが、若い女性たちのはじけるような躍動感が伝わってくる。単に夏ならではの目にまぶしい光景というだけではなく、抑圧された女性たちの戦後の解放感が表れているとみるべきだろう。まぁ、現在なら“おそるべき”の言葉が当時ほどの威力を持つかどうかだが―。
それにしても、酷暑に、新型コロナに、集中豪雨と、まさに三重苦の夏姿だ。まだ腕に残る4回ものワクチン接種跡を眺めながら、いったいいつまで打ちつづけるのか、との恨み節も出ようというもの。専門家と言われる先生方の発言も3年前と殆んど変わらず。さすが“専門家責任”を問う声もチラホラ。第7波が熱波と重なって日本中にイライラ感がマグマのように溜まる。「心頭を滅却すれば火もまた涼し」の声も聞こえるが、そこまで達観できず、修行も足りず、猛暑のなかで心身ともに萎えそうな我が身が情けない。
「言うまいと思えど今日の暑さかな」の連続のなかで、鎮夏法に救いを求めたくなる。江戸期なら暑さが厳しくなると、西瓜売り、金魚売り、ところてん売り、「ひゃっこい、ひゃっこい」の冷水売り、さらには甘酒売り等が、まちを流し、その売り声が目と耳に涼しさを呼んでくれた。残念ながら今はこうした涼を呼ぶ売り子たちは姿を消したが、こんな売り声が聞けたらこの酷暑のイライラも少しは鎮まると思うのだが―。
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