ロングライフハウス™グループ、ウェビナーで正しい制震の知識を解説
制震の役割について認識を改める
2022年度ロングライフハウスウェビナー™の第2弾を開催した。今回のテーマは「ロングライフ住宅における制震装置の役割について」。制震についての正しい知識、考え方を説いた。
ロングライフハウス™グループは、日本住環境、(一社)工務店フォーラム、日本ボレイト、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ、デコス、旭化成建材、タニタハウジングウェア、アイディールブレーンという異業種企業が集まり、ロングライフ住宅の普及、啓発に取り組んでいる。各社の施設を見学するロングライフハウスツアー™と、ウェブセミナーが活動の大きな柱。ウェビナーは、毎月1回、テーマにまつわるゲストを招き、ライター・編集者の大菅力氏がゲストに切り込む形でライブトークを開催する。今年度の第2弾となる今回は、アイディールブレーンの南里晃一郎 執行役員技術営業部長が「ロングライフ住宅における制震装置の役割について」をテーマに、制震についての正しい知識や考え方を解説した。
南里氏は制震装置の性能を表すグラフを示し、エネルギー吸収能力(制震性能)について説明。ホームページ上でその性能を公開している企業の商品は信頼に値するという。さらに、木造住宅の耐震シミュレーションソフト「wallstat」を使った解析と、wallstatの普及促進、開発強化を進める(一社)耐震性能見える化協会では、wallstatを用いて各社製品の性能の公開、認証を行っている。「wallstatの情報を公開するということは、それだけ商品の性能に自信があることの表れでもある。公開されている性能をしっかりと見ることが大事だ」(南里氏)と指摘した。
また、制震と耐震は似ているようだが、その本質は大きく異なる。南里氏は、「制震は耐震があってこそ十全に効果を発揮する。わかりやすく言えば、制震はサプリメントで、耐震は健康な身体。サプリメントは健康な身体に与えなければ意味がない」とし、可能な限り耐震性を高めておくことで制震の効果がアップするとした。
具体的には、耐震等級3をしっかり確保した上で、制振装置を設置することが望ましく、こうすることで建物の揺れ幅や損傷が小さくなり、耐震性能も落ちにくくなるという。長期間性能を維持する必要があるロングライフ住宅には、必要不可欠な仕組みだと言えよう。
こうした住宅の制震に関するメカニズムを実際に体験してもらうために、アイディールブレーンでは、体験ツアーも行っている。同事務局が主催する2日間のロングライフハウスツアー™の一環として、希望者選択式でアイディールブレーン川口技術研究所の見学ができ、耐震・制震材を使った壁試験の様子など、健全な住まいのための情報を発信している。
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