木材の安定確保、品質確保へ
ウッドショックが木材業界、住宅業界を襲った2021年。建材商社やプレカット工場は、軒並み好業績で、過去最高の利益を叩き出すところも少なくなかった。一方で、特に中小工務店の多くは、木材だけでなく、住宅資材全般の価格が高騰する中で、住宅購入者である施主に、その価格高騰分をすべては転嫁できずに、利益率が低下し苦しい経営を強いられた。それだけに両者間には、一部軋轢が生じている。木材業界の関係者は、「工務店の経営者から、『やむを得ずの価格改定ではなかったのか。我々が資材高騰により利益を圧迫される中で、最高益をあげる商社、プレカット工場は許しがたい』といった恨み節を言われた。しかし、我々は、木材流通を切らさないために、リスクを負って海外産地と交渉し調達している。価格の上昇局面では利益を確保できるが、価格の下落局面では一気に厳しい状況に立たされる。そのリスクを負っていることを知ってほしい」と話す。それぞれの言い分があり、どちらの肩を持つわけではないが、輸入材に依存し続け、相場で木材価格が決まるという仕組みである限り、こうしたことは起こり続けるだろう。
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