住宅購入の選択肢のど真ん中に中古住宅 安定成長で年間1万件の販売目指す
カチタス 代表取締役社長 新井健資氏
戸建住宅の買取再販市場への注目度が増している。背景には、新築よりも比較的販売価格が割安な中古住宅に対する消費者需要が増加していることがある。
この分野で圧倒的な業界ナンバー1を独走するのがカチタスだ。新中期経営計画を発表した同社の新井健資 代表取締役社長に、同社の強み、今後の展開を聞いた。
──御社の強みについて教えてください。
もともと当社は、競売物件の再販を手掛けていたため、地方裁判所の近くに拠点を多く設けていました。ネットも普及していない時代に、競売の勝ちパターンは、裁判所の近くに拠点を置き、開示された競売物件の情報をいち早くつかみ、入札する物件を判断することでした。中古の物件を買取り、リフォームして販売するということは、競売の時代から変わっていません。その当時から構築してきた拠点、人的資産、また、リフォーム工事を発注する工務店のネットワークなどが、我々の事業基盤になっています。
この事業基盤を活用して、この10年くらいは、空き家という大きなマーケットに近づいていく取り組みを進めてきました。
失敗を共有する仕組みをつくり、その仕組みを地道に回し続けていることも当社の強みです。物件を仕入れる際や、リフォームする際に失敗は当然起きます。その失敗がなぜ発生したのかを明らかにして二度とその失敗が起きないように、チェックリストをつくり、毎週、毎月、社内で情報を共有しています。
お客様からのクレームを抑えることも重要になります。引き渡し後、お客様から、クレームをはじめ、毎週50件近くの大小様々な声が寄せられます。毎週開催する部長以上の幹部が集まる会議で、その一つひとつの声に向き合い、なぜ見落としたのか、どういった原因で起きたのか、防ぐにはどうしたらいいのかを検証して、チェックリストに加えるかを判断し、社内で共有することを徹底しています。5年前と今を比べて、事業自体は全く変わりませんが、そうした失敗を共有する仕組みを地道に回し続けることで、仕事の精度は格段に向上していると思います。
プロセスの標準化で品質のばらつきを抑制
──中古マンションに比べて、中古戸建住宅は、性能も品質も状態もばらばらで、開けてみなければわからないため、買取再販事業は難しいということを聞きます。
確かに戸建の中古住宅は、100戸あれば、仕入れ、リフォームの仕方は100パターンあり、全て違います。とてつもなく手間がかかり、品質にもばらつきが生じやすくなります。品質のばらつきを抑えるためには、プロセスを標準化することが重要だと考え、仕組みを整備しています。
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