脱炭素やSDGsなど社会貢献を通じて利益を得る企業に
伊藤忠建材 代表取締役社長 関野博司氏
建材専門商社のパイオニアとして、2021年7月に60周年を迎えた伊藤忠建材。
17年にわたり陣頭指揮をとってきた柴田敏晶前社長(現代表取締役会長)からのバトンを受け、2022年4月に関野博司氏が新社長に就任した。
新しいトップのもと、次の10年を見据え、どういった動きを見せようとしているのか──。
──新社長に就任して2カ月が経過しましたが。
私は過去2回、通算5年にわたって、伊藤忠商事から伊藤忠建材の経営企画部に出向した経験があるため、取引先様の概況などについては把握しているつもりですが、まずは挨拶をさせていただこうということで、取引先の方々をご訪問している最中です。
伊藤忠建材は、仕入れ先で約500社、販売先で約1500社の取引先様とお付き合いしています。さすがに全ての取引先様にご挨拶するには時間がかかりますが、コロナ禍を考慮しながら、しっかりと全国各地の取引先様を訪問していきます。
私の伊藤忠商事でのキャリアとしては、30年ほどにわたり原木や合板、製材などを輸入する仕事に従事してきました。入社してから最初の10年は東南アジアを担当しました。ボルネオに2度ほど、約5年半にわたり駐在しました。
入社してから10年程が経った頃、合板原料が東南アジアのラワン材からロシアのカラマツに変わるという時期を迎え、今度はロシア材の担当になりました。
ボルネオは年中30℃以上の暑さでしたが、今度はマイナス20℃以下の世界に行くことになったのです。気温だけでなく、当然ながら国民性も違いますから、商売の形態も全く異なるという経験をしました。
その後、ニュージーランド、オーストラリア、北米、南米、アフリカなどを担当し、木材に関しては世界中で様々な経験をしました。
こうした経験もあり、2020年から日本木材輸入協会という組織の会長も務めています。
直近では国産材を担当しました。国内のスギやヒノキを国内の製材メーカー様や合板メーカー様に提供するほか、海外への輸出にも携わっていました。
木材関連の企業の方々とはこれまでもお付き合いがあったのですが、これまで面識がなかった取引先様の方々にも顔を覚えてもらうためにご挨拶回りをしているところです。
木材に関する仕事が社会的に誇れるものになっている
──長い期間にわたり木材・建材業界に関係していたということですが、現在の状況をどのように捉えていますか。
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