国土交通省、「安定的な木材確保体制整備事業」を開始 中小工務店、木材関連事業者などの連携を支援
国土交通省は、「安定的な木材確保体制整備事業」の公募を開始した。地域の中小工務店や木材関連事業者などが協力して行う取り組みを支援する。また、体制整備のシステム開発にも補助を実施する。
ウッドショックにより外材が高騰し、調達環境が悪化し続けている。また、ここにきてウクライナ危機により、ウッドショック第2波も懸念されている。
こうした状況を踏まえ、「安定的な木材確保体制整備事業」では、中小工務店などによる良質な木造住宅などの整備促進を図るため、安定的な木材確保の体制整備などに係る費用に対して補助を行う。中小工務店、建材流通事業者、製材事業者、原木供給者など関係事業者の連携による安定的な木材確保に向けた先導的取組を促進する。
まず関係事業者には、協議会などのグループを設置することが求められる。
その協議会などが中心となり、「木材需要量、供給可能量、価格等に関する情報提供の仕組み」、「木材の安定確保のための取引・調達方法の合理化」、「工務店等の与信や木材の過不足時の融通などのリスク対応の仕組み」などを検討。さらに、住宅事業者など、川下側のまとまった需要に応じた供給が可能なシステムを開発、マニュアルなどを作成する。さらに、グループの体制整備に向け、説明会・研修会を実施。消費者向けの普及啓発活動を行う。
同事業では、こうした一連の取り組みに対して補助を行う。体制整備などに係る費用に対して、最大1000万円を補助。また、システム構築に係る費用に対しても、その費用の2分の1、最大1000万円を補助する。10件程度の採択を想定している。認定長期優良化住宅や認定低炭素住宅、ZEH・Nearly ZEHなど、木材活用の出口として、高性能な住宅づくりを行う事業者の協議会などに対して優先的に支援を行う方針だ。
補助の対象となる、事業主体類型として、国土交通省は、下記の図の通り、「川上・川下直結タイプ」、「需要集約‐発注タイプ」、「出荷可能量集約‐マッチングタイプ」の3つの例を挙げている。
サプライチェーンが構築されていないことが国産材活用が進まない大きなネックと言われている。こうした課題解消を促すきっかけの1つになりそうだ。
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