存在感増す高付加価値賃貸

長期安定経営の実現に向けて

戸建住宅に加えて、賃貸住宅においても、高付加価値化の動きが加速している。
2050年の脱炭素化に向け、住宅各社がZEH賃貸の提案を強化し、受注を大幅に伸ばす企業が出てきている。
また、ライフスタイル多様化のニーズに対応して賃貸住宅を開発、サブスクサービスなどを導入して差別化を図る動きも活発化している。
さらに、スマートホームサービスの導入により、複数の住宅設備をスマホで一括操作できるといった新しい付加価値を創出し、賃料アップを目指す動きも出てきている。
一般消費者の環境意識の高まり、ライフスタイルの多様化、ITの進化などに対応して、賃貸住宅のあり方が大きく変わろうとしている。
オーナーにとっても、より長期スパンの安定的な賃貸経営の実現に向けて、高付加価値化は、避けては通れない時代になってきている。


2021年度の建築着工 統計調査報告によると、貸家は、前年度比9・2%増の33万752戸、5年ぶりの増加となった。すべての月で着工はプラスで、回復の兆しが見え始めている。しかし、過去10年のスパンで見ると、3番目に低い水準で、コロナ前の水準に戻ったとは言い切れず、さらに遡り、約61万戸の規模があった1996年と比べると、市場規模は半減している。

土地を持つオーナーが相続、税金対策として賃貸経営を行うニーズはいつの時代も一定数ある。また、少子化と言われているが、晩婚化が進む中で、単身世帯の高齢化が進み、都市部では、子供を持たない夫婦世帯も増えており、こうした世帯数の増加などにより、今後も安定した賃貸需要が見込まれる。

しかし、その一方で、大東建託 商品開発部 次長の松岡透氏は、「新築住宅が縮小に向かう中、我々、賃貸事業を主力にする事業者に加えて、賃貸住宅に注力する住宅事業者、デベロッパーが増えており、事業者間の競争は激化している」と話す。


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