身の丈に合った〝平屋”が人気 高級路線と廉価路線の2つ
世帯あたりの人数の減少に伴い、身の丈にあった住空間を求める人が増え、平屋のニーズも高まっている。
総務省の「2020年国勢調査」によると、平均世帯人数(1世帯当たりの人数)は全国平均で2.27人と、単身世帯や夫婦のみといった世帯の割合が多くなっている。こうしたなかで、かつての標準世帯を想定した2階建ての間取りでは、広すぎると感じる世帯がより増えており、その受け皿として平屋への注目度が増し、従来のシニア層に加え、若年の一次取得者層による需要がさらに高まっている。
近年の平屋ニーズには、大きく高級路線と、廉価路線の2つがある。よりゆったりと開放的な空間を確保し付加価値を高めた高級路線の平屋と、ミニマル、合理的な間取りで、よりリーズナブルな価格を実現した平屋の、大きく2つに分けられる。住宅事業者各社は平屋の新商品を相次いで発売、しのぎを削る。
大手ハウスメーカーなどは、よりゆったりと開放的な空間を確保し、付加価値を高めた平屋の新商品の提案を強化する。
積水化学工業は、平屋の受注実績は2015年度が約600棟だったが2020年度は約1200棟と倍増。さらにコロナ禍のテレワークなどの需要に対応し訴求力を高めるために、2021年4月に「パルフェ‐bhスタイル平屋『STAY&WORK モデル』」を発売した。平屋でもプライベートな空間を確保し快適な在宅ワークを実現する「スキップアップピット」を採用。いわゆるロフト空間で、約3~4畳分のスペースを1.5階に確保した。LDKよりも高い位置にあるため、家族の気配を感じながらも仕事に集中できるセミオープンな在宅ワーク空間などに活用できる。また、床下は大型収納として利用できるため、災害への備蓄やペットのためのスペースなどとして有効活用することが可能だ。
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