断熱とCO2削減を関連付けるユーザーは3割
寒さを感じるユーザーは西日本に集中
住宅の「断熱」とCO2削減を関連付けているユーザーは32%とそれほど高くはないことが、LIXILの「住まいの断熱に関する意識調査」で明らかになった。全国都道府県の20代~60代、4841人(各都道府県103人)を対象に実施したもの。
住宅における断熱の認知度は、「聞いたことがあり、どのようなものか知っている」と74%のユーザーが回答した一方、「住宅を断熱することにより、どのような影響があると考えるか」という質問では、「CO2排出量の削減に貢献できる」という回答が 32%と、住宅の断熱化が環境負荷低減に繋がることの認知度はまだ低いことがわかった。
地球温暖化対策として、CO2削減量に効果的だと思う項目では、「省エネ住宅の購入、もしくは省エネリフォーム」と回答した人は2番目に多い53%となったが、「ガソリン車から電気自動車への転換」と回答した人は62%と最も高く、脱炭素=EVという認識が高いようだ。
また、「冬になると自宅の中で寒さを感じるか」という質問では、寒いと感じる人は65%で、都道府県別にみると、徳島県、鳥取県、広島県、奈良県、兵庫県、和歌山県など中国・四国地方や関西地方といった比較的温暖な地域である西日本に集中、北海道や東北地方などの寒冷地に比べ住宅の断熱化が進んでいないことがうかがえる。
住宅の断熱性能への関心についての質問では、68%のユーザーが「関心がある」と答えた一方、自宅の断熱性能について「あまり十分でない」、「十分でない」という回答は41%となった。
断熱リフォームをしなかった理由としては、「予算が合わなかった」が58%と半数以上を占め、次いで「スケジュールが合わなかった」が 20%、「断熱することによるメリットをあまり感じなかった」と回答した人が 17%となった。
「断熱でイメージする家のパーツ」に関しては、83%の「壁」に次いで「窓」は60%と、寒さ=窓の割合は高い。ただ、自宅をリフォームする際に重視するポイントは、「水回り」、「間取り」、「収納」が「断熱性能」、「窓・玄関ドア」を上回り、リフォームの断熱や開口部の優先度は低い。
日本では、CO2削減に重要な役割を果たす住宅の高性能化が急速に進もうとしているが、こうした住まいの断熱に対するユーザー意識の変革が重要なポイントとなりそうだ。
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