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2021.11.29

トヨタホームなど、次世代の郊外スマートタウン構想

5G、自動宅配など導入で新生活様式に対応

トヨタホームなど5者は、次世代スマートタウンを埼玉県久喜市で開発する。5Gや自動宅配などの次世代デジタル技術などを導入し、利便性の高い暮らしを実現。コロナ禍で需要が増している首都圏郊外でスマートタウンのモデルケースを目指す。


南栗橋駅前エリアでスマートタウン「BRIDGE LIFE Platform(ブリッジライフプラットフォーム)構想」のイメージ

埼玉県久喜市、東武鉄道、トヨタホーム、イオンリテール、早稲田大学は、埼玉県久喜市の東武線通勤電車の始発の南栗橋駅前エリアでスマートタウン「BRIDGE LIFE Platform(ブリッジライフプラットフォーム)構想」を発表した。開発予定地は総面積約16.7ha、戸建住宅172戸の大規模プロジェクトだ。2022年5月の街びらきを目指す。

ブリッジライフプラットフォームの最大の特徴は、先進のデジタル技術の導入を核に、コロナ禍で高まる新しい生活様式に対応した利便性の高い暮らしを提案している点だ。 

その一環として、5Gを活用し快適なテレワーク環境のニーズに対応した取り組みを行う。5GのWi‐Fi環境をまち中に張り巡らせることで、家の中だけでなく、公園や遊歩道、クラブハウスなど、どこにいても快適にテレワークできる通信環境を整備する。

埼玉県久喜市、東武鉄道、トヨタホーム、イオンリテール、早稲田大学は、5者で「BRIDGE LIFE Platform構想」に取り組む

コロナ禍で重要性が増す非接触ニーズに対応した取り組みも、自動宅配ロボットと自動運転ゴミ収集車を通じて行う。いずれも、早稲田大学小野田研究室がモビリティの開発と自動運転のプログラミングを行う。

自動宅配ロボットは、非接触で様々なものを宅配できるようにする。一般の宅配物だけでなく、イオンリテールがまちの敷地内に設置するスーパーから食料品や日用品なども宅配できる体制を構築する。このほかにも、「薬事法の規制もあるが、薬なども自動宅配できれば、より生活利便性を高められる」と同大学小野田教授は展望を語る。

自動運転ゴミ収集車については、今年8月、東京都台東区の清掃事務所でクラスターが発生し、ゴミ収集作業が一部ストップする事態が起きたことなどから、非接触でゴミを収集できるよう導入を目指す。収集車がゴミを詰め込んだコンテナを回収する仕組みをイメージしているという。

「既存のまちへの導入だと、段差などが障害となりスムーズにいかない部分も多い。今回は自動宅配ロボットや自動運転ゴミ収集車の導入を前提にまちづくりを行うため、取り組みを進めやすい」と、小野田教授は期待感を示す。

非接触の点では、イオンリテールが新業態の「レジゴー」を導入したスーパーを導入する。利用者は貸出用の専用スマートフォンで商品のバーコードをスキャンし専用レジで会計できる。店員とのやり取りが必要ないことに加え、レジ待ちもなく、生活利便性の向上が期待できる。また、ネットスーパーで注文した商品をドライブスルー方式で受け取れる「ドライブピックアップ」やデジタルサイネージを活用し、買い物の利便性を高める仕組みの導入も検討している。

トヨタホームと東武鉄道が供給を行う戸建分譲住宅は、脱炭素と災害対策、コミュニティを柱に付加価値を高めた提案を行う。コロナ禍でより高まる住宅内の快適性と光熱費削減ニーズ、脱炭素意識への高まりに対応するため、全戸ZEHとする。「トヨタホームの戸建分譲では初であり、まだ業界的にも珍しい取り組みではないか」と後藤裕司社長は話す。また、災害の激甚化・頻発化に対応し、災害時に電気自動車から住宅に給電できる「クルマde給電」も標準装備する。このほか、住民同士のつながりも快適な住環境の点で重要であるという考えから、住民主体で組織する管理組合も設置し、コミュニティ醸成にも積極的に取り組む予定だ。

コロナ禍で高まる郊外需要の取り込み目指す
トヨタホームは郊外戸建分譲開発の集大成

コロナ禍でテレワークが普及し、東京都市部から電車で1時間圏内の郊外の住宅地の居住ニーズが高まっている。トヨタホーム、東武鉄道などはブリッジライフプラットフォーム構想で、こうした需要を取り込んでいきたい考えだ。

スマートタウンでの脱炭素や災害対策などの取り組みについて話すトヨタホームの後藤裕司社長

ブリッジライフプラットフォームの開発予定地は、もともとは東武鉄道の所有地。同社では1991年から南栗橋で戸建住宅地を開発、これまで400戸超を供給してきたが、郊外需要の高まりから今回の172戸の大規模開発に踏み切った。南栗橋は電車で1時間程度で東京・大手町エリアにアクセスでき、東武線通勤電車の始発駅であるため、座って通勤が可能。「東京と自然のどちらの環境も享受できるエリアと考える」と東武鉄道の横田芳美 取締役常務執行役員は話す。

一方で、今回、東武鉄道と戸建て住宅開発を共同で行うトヨタホームも、コロナ禍で郊外での大規模な戸建分譲開発を強化している。今年に入り、東京都昭島市、千葉県印西市と立て続けに100戸以上の大規戸建分譲の供給を行っている。「コロナ禍で自宅付近の住環境への関心が一気に高まった。これからは、特にまちづくりに注力していく。今回のプロジェクトは、異業種5者の連携で次世代デジタル技術の導入を核に生活利便性を高めるという点で、これまでの郊外戸建分譲開発の集大成」と後藤裕司社長は話す。

今回のブリッジライフプラットフォーム構想は5Gや自動宅配ロボ、自動運転ゴミ収集車、ドライブピックアップといった先進デジタル技術に加え、全戸ZEH標準化、災害対応、コミュニティ醸成など、あらゆる取り組みを総動員し、コロナ禍で顕在化した暮らしニーズに対応する取り組みと言えよう。それだけに、今後のポストコロナの郊外の戸建分譲まちづくりを考えるうえでのモデルケースになりそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.634(2022年2号)

特集:

進化する「wallstat」が木造住宅づくりを変える

地震大国といわれる日本において、住宅の地震対策は欠かすことができない。また、遠くない将来に必ず起こるといわれる南海トラフ地震と首都直下型地震などの巨大地震に備え、住宅には、より高いレベルの耐震性能が求められている。こうした中で近年、存在感を高めているのが、木造住宅の耐震シミュレーションソフト「wallstat(ウォールスタット)」だ。木造住宅を3次元的にモデル化し、過去に起きた地震や想定される巨大地震など様々な地震動のデータを入力することで、木造住宅の地震による揺れを動画で解析し構造プランを強化できる。

耐震性能の可視化により、エンドユーザーに対しても説得力を持って高耐震住宅の重要性をアピールしやすくなるため、wallstatを活用して、建てる前に住宅を揺らし、壊し、シミュレーションを行い、より耐震性の高い、安全性を高めた住まいを実現し、普及を目指す住宅事業者も増えてきている。

2022年1月には、wallstatのバージョンアップにより、耐震シミュレーション機能が強化された。ユーザーの声を反映し、計算時間を約2分と、従来の10分の1に短縮。より使いやすいものへと進化している。wallstatで耐震シミュレーションをすることがあたり前という時代になっていきそうだ。

併せてwallstatに組み込みシミュレーションできる建材、連携できるソフトウェアも紹介する。

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