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2021.11.25

早川ゴム、CLTの下地防水で業界初の飛び火認定

住宅地でもフラット屋根が可能に

早川ゴムは、CLT建築向けの下地防水で、日本初となる飛び火認定を取得した。防火地域・準防火地域においても、フラットな屋根を採用したCLT建築を建てやすくなる。CLT建築の下地防水のスタンダードとして普及を目指す。

同社は、フラットな陸屋根向けに、シート防水工法「サンタックIBシート防水」で豊富な実績を持つ。揮散・浸出の少ない高品質な可塑剤を用いることで、長期間、日光にさらされても紫外線劣化しにくい特性を持ち、長期に渡り防水機能を発揮し続ける。防水保証10年の2倍以上、20年以上の耐用年数を有する。また、水蒸気を透過する性能を持ち、下地の水分をシート表面から徐々に排出するため、脱気筒を設置する必要もない。さらに自己消火性能も有しており、他の防水材料と比較して、外部からの飛び火に対して優れた難燃性を発揮する。

CLT建築向けの防水下地「IB‐HDF‐CLT工法」の主な下地の構成

こうした陸屋根向けのシート防水の豊富な実績、ノウハウを生かして同社は早くからCLT建築に注目し、CLT建築向けのシート防水の開発に取り組んできた。2019年3月に竣工した北海道林産試験場CLT性能評価実験棟「Hokkaido CLT Pavilion」にも、同社のシート防水が採用された。この実験棟は、全方位に大きく張り出した無勾配の屋根、高耐力CLT壁による開放的な間取り、床パネルと連続したオーバーハングテラス、大開口サッシとフラットな天井面など、CLTならではの構造、デザインを具現化した建築物として高い評価を得ている。2020年度のグッドデザイン賞、ウッドデザイン賞の二冠を達成。CLT建築の積極的な探究事例の一つとして評価された。

断熱材で屋根勾配を確保
保険のハードルをクリア

北海道林産試験場CLT性能評価実験棟にも早川ゴムのシート防水が採用された

北海道林産試験場CLT性能評価実験棟などにおけるシート防水の実績を踏まえ、さらに改良を加えて、同社は2021年5月、独自に開発したCLT建築向けの防水下地「IB‐HDF‐CLT工法」において、業界初となる飛び火認定を取得した。

CLT建築の普及に積極的に取り組む岡山県のハウスメーカー、ライフデザイン・カバヤが同社のシート防水に関心を示したことも開発スピードを加速させる推進力となった。ライフデザイン・カバヤは2018年に大学教育機関や大手金物メーカーらと共同でオリジナル接合金物を用いた独自のCLT構法「LC‐core構法」を開発。「日本CLT技術研究所」を立ち上げ、CLTパネルを用いたフランチャイズ事業を展開している。現在、地場ゼネコンなど30社超が加盟する。2020年8月には、CLT住宅ブランドを立ち上げ、ハイエンド層向けの販売強化に乗り出した。

イーアステックの「軟質プラスチック止水板」と組み合わせることで、フラット屋根の雨水の流れをコントロールできる
ライフデザイン・カバヤが販売を強化するCLT 住宅において、「IB‐HDF‐CLT工法」が、屋根下地の標準工法のひとつとして採用された

しかし、ライフデザイン・カバヤを始め、CLT建築の普及を目指す事業者にとって、特に防火地域や準防火地域などの住宅地においてCLT建築を建てる際に、屋根をどう納めるかがネックの一つとなっていた。切妻、片流れなどの屋根形状を採用して板金屋根で仕上げることで、防火性能を確保できるが、CLTならではのデザインと言えるフラットな屋根の実現は難しいという課題があった。また、準防火地域などの住宅地では、地域によっては、住宅瑕疵担保責任保険の加入条件として、屋根に勾配を設けることなどが求められるため、完全なフラット屋根を採用することが難しいとのハードルもあった。こうしたハードルをクリアするために、早川ゴムでは、ライフデザイン・カバヤと共同で、CLT建築向けの防水下地の仕様検討などを進め、「IB‐HDF‐CLT工法」では、フラットなCLT下地の上に、若干の勾配を持たせた断熱材(カネライトフォーム)を施工し、勾配を調整できるようにした。200㎜までの高さで勾配を調整できる。断熱材の上に絶縁シート、サンタックIB防水シートを施工し、防水性能を確保する。早川ゴムの営業本部建築用防水材グループ 沼田勝己課長は、「勾配断熱材を使用しても、最大でも高さ200㎜であり、外観はフラット屋根とほぼ変わらない」と話す。

また、防火の規制がかからない地域向けに、断熱材なしで、CLTの上に絶縁シート、サンタックIB防水シートを施工する仕様もラインアップ。それぞれで飛び火認定を取得した。

ライフデザイン・カバヤは、「IB‐HDF‐CLT工法」を、CLT建築の屋根下地の標準工法のひとつとして採用。「日本CLT技術研究所」のFC加盟店にも、CLT建築らしいフラット屋根を実現できる下地防水として周知する。

ゼロ勾配屋根専用の止水特許技術との併用を推奨

また、フラット屋根では、屋根に溜まる雨水をどのように排出するかにも注意が必要になる。そこで、早川ゴムでは、「IB‐HDF‐CLT工法」と、イーアステック(北海道旭川市)が特許を持つ「軟質プラスチック止水板」、「ゼロ勾配屋根専用止水材の設置構造」を組み合わせることを推奨する。軟質プラスチック止水板をフラット屋根の縁に合わせて施工することで、雨水の流れ道をコントロールできる。

沼田課長は、「CLTは新しい建築構造材として、今後、住宅、非住宅分野での普及拡大が期待されている。『IB‐HDF‐CLT工法』を採用することで、住宅地などでもCLT建築ならではのデザインと言えるフラット屋根を実現しやすくなる。スタンダードな屋根の下地防水として普及拡大を目指したい」と話す。

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特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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