学校トイレで加速する自動水栓化 リフォームで53%が実施
便器の様式化、屋内トイレ、床の乾式化も有効
TOTOなどトイレ関連6社による学校のトイレ研究会が、全国の自治体を対象とした学校のトイレに関する調査「2020年度全国自治体アンケート調査」の結果を公表した。
同研究会は、学校トイレの、臭い・汚い・怖い・暗い・壊れている―という5Kを払しょくし、子どもたちが安心・安全に利用できる清潔で快適な学校トイレの実現を目指している。毎年全国の自治体にアンケート調査を実施しており、今回の調査は1787自治体(都道府県、市区町村の教育委員会)を対象に行い、回答数は133件。
学校のトイレの改修時に、感染症対策として実施しているのは、「便器の洋式化」が87%と群を抜いて多い。次いで「屋内トイレの床の乾式化」が59%、「手洗いの自動水栓化」が53%であった。特に注目できるのが、「手洗いの自動水栓化」で、前年調査の35%から18ポイントものアップとなった。
感染症対策で「今後、有効だと思われる項目」では、改修時においては「自動水栓化」が80%とトップであり、関心の高さがうかがえる。また、「便器の洋式化」(70%)、「屋内トイレ床の乾式化」(59%)も有効と考えられており、この3項目が今後の学校トイレにおける感染症対策の3本柱といえそうだ。
築5年以上経過した学校、または改修後5年以上経過した学校では、トイレの水洗(蛇口)は、その75%が「ハンドル水栓」であり、「自動水栓」は2割程度だ。感染症対策として最も有効と考えられているだけに、築5年未満の新しい学校や改修後5年未満の学校では「自動水栓」の設置率は63%に上がり、「ハンドル水栓」は約3割と大きく減少する。また、今後、新築もしくは改修する予定の学校では「自動水栓」が約8割となり、「ハンドル水栓」(4%)から完全に置き換わりそうだ。
まだまだ手で操作する必要がある「ハンドル水栓」を使用する学校が残るなか、新築や改修済みの学校で自動水栓を採用する“非接触化”が急速に進んでいる状況が浮き彫りになっている。
さらに、今後、新築・改修予定のある学校でのトイレ以外の設備についての方針や計画も聞いている。
特に手指衛生環境を整えるうえで重要な、廊下などにある手洗い場についての方針は、「自動水栓化(一部)」が35%、「アルコール製剤の設置」が33%、「水石せっけんの設置」が22%、「手洗いの自動水栓化(全部)」が11%。設置場所によって自動水栓化を進め、アルコール製剤と併用することで、手指衛生を高める取り組みが中心のようだ。
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