新・平屋マーケット 新提案で市場拡大の勢いがさらに加速
ミニマル・ローコスト化、在宅ワーク対応、脱炭素化など
好調な平屋マーケットで、さらなる市場拡大に向け大きな変化が起こり始めた。
若年層や2人以下の小世帯などの新たな需要に対し、ハウスメーカー各社は、よりミニマルでローコストな商品の提案を加速。
コロナ禍で普及拡大する在宅ワークに対応し、限られた居住スペースでも快適に在宅ワークできる提案も出てきた。
さらに、在宅時間の増加や、環境貢献意識の向上から高まる脱炭素化ニーズに対応し、平屋ならではのメリットを生かした脱炭素化提案も活発化してきた。
若年層を中心に注目が高まる平屋マーケットの最新事情に迫る。
10年で倍の平屋、勢いさらに強まる
若年層で小世帯向けなどの新市場
平屋住宅への需要の高まりが止まらない。国土交通省の「建築着工統計調査」によると、平屋住宅の新築着工数は、2010年度は2万6915棟であったが2020年度は4万7452棟と倍近く伸びている。また、居住専用住宅のうち平屋の割合は、2010年度に6.19%だったが2020年度には11.5%と、10年で約2倍に増えており、住宅全体の着工数が伸び悩むなかでも、平屋は堅調に市場を拡大させている。
平屋市場は2010年度頃から徐々に伸びているが、注目すべきは消費税率引き上げの影響などにより、2016年度以降に戸建住宅全体の着工数が減少に転じているなかでも、平屋の着工数は増加している点だ。しかも、年間の増加棟数は2015年度あたりまでは2000棟程度だったが、16年度あたりから3000棟〜3500棟と増加の度合が増している。また、居住専用住宅に占める平屋割合の年度ごとの伸び率についても、2015年度くらいまでは3〜4ポイント増で推移してきたが、2016年度以降は6〜8ポイント増と倍増している。特に2016年度以降、住宅市場全体の縮小傾向とは反対に、平屋市場はより需要が高まっている傾向が見て取れる。
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