怪しい?住宅品質

国が推進する脱炭素化を背景に、住宅にはより高いレベルの省エネ性能が求められている。また、自然災害が頻発する中で、さらに高いレベルの耐震性能、耐久性能などが求められている。
しかし、住宅の高性能化が求められる一方で、木造住宅の製造現場では、大工、職人、現場監督の不足が深刻化している。本当に設計通りの性能、スペックが確保できているのかということは、住宅業界が抱える大きな問題になってきている。この問題を放置すれば、重大な瑕疵が多発し、住宅事業者にとって信用を失墜させる大きなリスクとなりかねない。一方で、品質管理をしっかり行える体制を構築できれば、他社との差別化、強みになる。
とはいえ、住宅の施工品質を高め、安定化していくことは、容易なことではない。住宅建築業界には、多岐にわたる建築工法や設計仕様が存在するため、施工品質の管理は難易度の高い領域の仕事になる。現場監督や第三者検査員、建築士などが現場に行き、住宅事業者各社の施工品質基準と照らして納まりをチェックする、あるいは、不適合箇所があれば、対処を促すといったことでしか対応できない労働集約型の仕事であった。
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