2021.9.21

オープンハウス、住関連サービスの提供で新会社

早期に売上高100億円を目指す

オープンハウスは新たに子会社を設立し、OB顧客に向け住関連サービスを開始した。
新築戸建住宅の販売後もOB顧客のライフステージの変化に合わせて様々なサービスを提案したい考えだ。


オープンハウスは100%子会社のおうちリンク(東京都渋谷区・鎌田和彦代表取締役)を設立、OB顧客を対象に住関連サービス「おうちリンク」の提供を開始した。新会社を通じ、早期に売上高100億円を目指す方針だ。

オープンハウスは東京都心を中心に年間約1万棟の戸建住宅の供給を行っているが、「これまでは販売後のサポートが十分でないのが実情だった」(おうちリンク 総務企画室・徳永達磨室長)という。こうしたことから、ストック事業の取り組みの一環として、住関連サービスの提供に着手する。住宅販売後もOB顧客のライフステージの変化に合わせて、様々な住関連サービスを提供する。

まずはインフラから
将来的にはリフォーム提案も

おうちリンク、おうちバンクの概要

まずは、住生活に必要不可欠なライフラインから取り組む。エネルギーの小売り事業者を通じて、電気(おうちリンクでんき)、ガス(おうちリンクガス)・インターネット回線(おうちリンクネット)の提供を行う。

「従来は新居への引っ越し時に、インフラ契約の煩わしい手続きが必要だったが、これからはあらかじめ申し込んでいただければオープンハウスの住宅への入居と同時にすぐにインフラを使うことができる」と徳永室長は自信を見せる。

今後は外部の事業者とも連携しながら、「おうちリンク」でインフラ以外のサービスを拡充していきたい考えだ。例えば、共働き世帯向けの家事代行、宅配クリーニング、空間を賢く利用するための貸し倉庫、コロナ時代のオンラインサービスなどを検討している。

また、将来的には、「おうちリンク」の住関連サービスの一つとして、リフォームの提案も視野に入れる。

オープンハウスでは、2025年にリフォーム適齢期を迎えるOB顧客が約3000件に達する見込みであり、ここに向けて提案していきたい考えだ。

「大規模なリフォームに限らず、戸棚を付けるなど、ちょっとしたことも含めて受注していきたい」(同)としている。

独自のネット銀行も提案
ポイント還元で「おうちリンク経済圏」も

オープンハウスの戸建住宅の外観

「おうちリンク」では、住信SBIネット銀行と銀行代理業委託契約を締結し、住関連サービスの料金の支払いで、高い利便性とお得感を訴求する独自のネット銀行「おうちバンク」も提案する。

おうちバンクでは、スマートフォンアプリで様々な取引が可能。口座開設はおうちリンクアプリから最短3分で可能。おうちリンクの住関連サービスの料金引き落としが口座振替で可能だ。

おうちリンクの住関連サービスの料金をおうちバンクの口座振替で支払うと、「おうちリンクポイント」が貯まる仕組みを導入。おうちリンクの電気、ガス、ネット回線それぞれで月々の料金の最大3%が還元されるため、「おうちリンクの電気、ガス、ネット回線すべてに加入すれば、年間で約7600ポイント=7600円が還元される」(同)という。現在、ポイントは、おうちリンクのサービスに対して使用できるほか、AMAZONギフトカードにも交換できる。特におうちリンクでのポイント利用を促していきたい考えで、「おうちリンクのサービスを利用しポイントを貯め、そのポイントでまた「おうちリンク」のサービスを利用するという“おうちリンク経済圏”をつくっていきたい」(同)としている。

オープンハウスは、早期に「おうちリンク」の契約数を年間1万件に乗せていきたい考えだ。

契約獲得へ向け、5月末からオープンハウスで新たに戸建住宅を購入した顧客向けに、説明会を実施。盛況であることから、7月末からはウェブでの説明会も開始した。「今後はオープンハウスの住宅の付加価値として認知度を広めることで、説明会に参加しなくても、お客様に選んでいただけるサービスにしていきたい」(同)としている。