『ウッドショック』下の木材利用④ 国産材サプライチェーン
利用期を迎える国産材を活用して林業の成長産業化に導くにはどのような取り組みが求められているのか。林材ライターの赤堀楠雄氏が地域で芽生える国産材活用の事例をルポする。
頼りになるSCを構築したい
ウッドショックで木材の調達難が続く中、国産材のサプライチェーン(SC)構築の必要性が各方面で指摘されるようになっている。
海外の事情で供給が不安定になる可能性がつきまとう外材に頼り切るのではなく、地続きの産地から調達できる国産材へのシフトを図りたい。だが、そもそも国産材自体が安定して確保できる資源だとは言い切れないうらみがある。台風や大雨で山腹崩壊や林道の破損といった被害が起きれば山からの出材が滞り、入荷が減少した原木市場の相場が跳ね上がる。乾燥材の流通量がまだ不足しており、品質のばらつきもある。そうした実態は確かにあり、それらは国産材の利用が進まない要因として常に挙げられてきた。
だが、その一方で、ウッドショックの混乱のさ中にあっても、従来からの顧客には優先的に材料を回し、供給責任を果たそうとする製材所や流通業者が少なからずいることも事実である。販売価格についても最低限の値上げ幅にとどめ、顧客のビジネスが持ちこたえられるようにと、彼らは協力を惜しまなかった。
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