次代のスタンダードはZEH強化外皮、HEAT20のG2レベル

特集「今、問われる住まいの姿」① 脱炭素時代の省エネ住宅の姿

2050年の脱炭素化に向け国を挙げた取り組みが進む。特に重要になるのが住宅の省エネ対策。
省エネ基準レベルが当たり前という時期が迫る中、住宅事業者は次代の省エネ性能としてどのレベルを目指すべきなのだろうか。


住宅の省エネ基準
2025年度に適合義務化

2020年10月、国が「2050年の脱炭素化」を宣言したことで、住宅・建築物の省エネ化に向けた動きが一気に加速している。我が国における最終エネルギー消費の約3割を占める民生部門(業務・家庭部門)の活動が展開される住宅・建築物においても、さらなる省エネルギー化や脱炭素化に向けた取組の一層の充実・強化が不可欠となっている。

このため、国土交通省、経済産業省、環境省は、合同で「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」(以下、あり方検討会)を設置し、脱炭素社会の実現に向けた住宅・建築物におけるハード・ソフト両面の取り組みと施策の立案に向け議論を進める。

2021年7月には、第5回の会合を開催し、取りまとめ案を発表し、住宅の省エネ基準への適合義務化の実施時期を2025年度とした。また、段階的に省エネ基準のレベルも引き上げていく方針で、2030年度以降に新築される住宅については、ZEHの強化外皮基準に適合させ、再生可能エネルギーを考慮しない設計一次エネルギー消費量を現行の省エネ基準値から20%削減するとしている。

一方で、住宅・建築物の省エネ対策の徹底に当たっては、特に住宅や小規模な建築物が国民の生活基盤として不可欠なものであることから、その負担に配慮し、適合を義務付ける省エネ基準については合理的な水準とし、段階的に省エネ性能の引き上げを図る。

具体的には、①省エネ基準の適合義務化による、省エネ性能を底上げするための基礎となる取り組み(ボトムアップ)、②誘導基準やトップランナー基準の引き上げによる、省エネ性能を段階的に引き上げていくための取り組み(レベルアップ)、誘導基準を上回る高い省エネ性能の実現を促し、市場全体の省エネ性能向上を牽引するための取り組み(トップアップ)を挙げた。

2023年度には誘導基準や認定低炭素住宅、長期優良住宅などの各種制度の基準もZEHレベルへと統一していく。

そのほか、ZEHを上回る省エネ性能を備えた住宅の普及促進も図っていく。また、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅について、戸建住宅だけでなく低層の共同住宅での普及も後押しする。


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