祝日移動で大慌て/NHK時間調査を読む

祝日移動で大慌て

「やっちまったよ」と苦笑する友人。「10月のスポーツの日をからめた3連休で家族旅行を計画し、ホテルを予約してしまった」のだ。カレンダーを見てのことだったが、「スポーツの日」の10月11日から7月23日への移動の印がなく、本人も忘れていた。「まあ、有給をとりキャンセルはしなかった」そうだが―。

それにしても、今年の祝日移動はあちこちで混乱を招いているようだ。東京オリンピック・パラリンピックに絡んでの今年限りの祝日移動だが、決まったのが昨年の12月であり、市販の2021カレンダーや手帳は直しがきかず例年のまま。友人のうっかりミスに当方も慌てて手帳を取り出して赤マークと×印を。そして改めて見直すとオリンピックの開会と閉会にあわせて、「海の日(7月22日)」「スポーツの日(7月23日)」「山の日(8月8日)」の移動で、7月が4連休、8月が3連休だ。東京都心部の混雑緩和のための緊急(?)臨時の措置だが、コロナ禍のなか、観客数を抑え、人流削減を狙ってのしめやかなオリンピックとなるだけに、今にして思えば、祝日移動の必要があったか、どうかの意見も。それでなくとも、7月、8月は学校は夏休み、企業も夏季休暇を設定しており、4連休、3連休のありがたみは薄れる。それよりも、10月の秋の行楽日に祝日がなくなってしまうほうが淋しいというのもなんとなくうなずけるというものだ。

まあ、祝日移動騒ぎはともかく、休日が増えるのは良いのか、悪いのか。いつになっても論議は繰り返される。その底には、日本人は働き過ぎと言われたり、残業など長時間労働への指摘があったりで、“働き方改革”もその延長線上から出てきた。いま流行の“DX戦略”も、生産性向上など効率的・合理的な働き方と無縁ではない。日本の祝祭日は世界各国と比較しても決して少ないわけではなく、むしろ多いほうだが、それでも働き過ぎなんて言われてしまうのだからやり切れない。


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