不動産に登記番号活用した共通ID発行へ
国交省、近く検討会を発足 様々なデータ連携を視野
国土交通省は、土地、建物の不動産登記簿の登記番号を活用しながら情報をIDで共通化する仕組みをつくる。実現すれば既存住宅流通の促進や空き家・空き地の管理、スマートシティーへのインフラとしても活用が期待される。DXの進展を背景に、既に民間事業者で不動産IDを打ち出すところも出ており、同省はルール整備をしたい考えだ。
現状、土地、建物の不動産を流通上で把握する共通の番号はない。このため様々な不都合が生じている。例えば不動産情報サイトには同じ物件であるにも関わらず、仲介事業者ごとに物件が掲載されるのは、1つの物件を共通で管理する仕組みがないために生じる。消費者への混乱を招くだけでなく、不動産事業者にとっても、取引に必要な情報入手に係る時間・手間、費用面など様々なデメリットがある。不動産IDが導入できれば、消費者の利便性の向上や不動産事業者の生産性向上につながる。また、共通IDがあれば、AIを使った価格査定と連携することもできるため、不動産取引の透明性確保につながる可能性もある。
不動産IDの狙いはデータ連携だ。昨年7月に政府が閣議決定した「規制改革実施計画」で成長戦略分野の1つに上げられた「不動産関連市場の活性化に向けたデータの整備・連携」の中に不動産IDというワードが明記されている。不動産IDは、今後の国内不動産事業の活性を左右する重要な役割を果たす可能性がある。不動産IDと連携するデータは、同省が今年度上期に立ち上げる不動産業界関係者や有識者らでつくる検討会で議論する。
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