コロナ禍で急速な環境変化への適用 人間の機能に着目した商品開発を

千葉大学デザイン・リサーチ・インスティテュート教授 下村義弘 氏

人類と住まい【前編】

コロナ禍で、在宅時間が増えた。感染を恐れ、全く外出しない人もいる。寝不足など体調不安を訴える人も目立ち始めた。人類が登場してからおよそ700万年。見る、聞く、歩く、持つ…。我々が、当たり前にできるこうした行動は、700万年かけてじっくり進化してきた人類のありようだ。三密回避で外出が抑えられ、急激な環境変化への適応が求められる中で、住まいに必要なこととは何か。千葉大学デザイン・リサーチ・インスティテュート教授の下村義弘氏に聞いた。

専門分野は生理人類学、人間工学。身体の仕組みや現場での使い方の視点を持ち、様々なデザインを研究開発している。2008、09、11年度グッドデザイン賞、12年度人間工学グッドプラクティス賞特別賞、14年度日本生理人類学会論文賞、16年度日本生理人類学会奨励賞など多数受賞する。

──コロナ禍で急激な環境変化に迫られています。

人類は700万年をかけて今の状態になりましたので、現代の人工環境は、急速に進歩し過ぎており、人間がほとんど適応できていないのが実情です。人類がどのように今の状態になってきたのかを生物学的視点から眺めて、より良い人工環境などをどう作っていくのかを研究するのが生理人類学です。一方、今生きている人間の特性に合わせたシステムを機器や環境を組み合わせて考えるのが人間工学です。住まいを考える時には両方の視点が必要になります。


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