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2021.5.14

日鉄興和不動産、分譲マンションに無人ストアを設置

コロナ禍で"移動しない"が新たな付加価値へ

日鉄興和不動産は、分譲マンションなど集合住宅専用の無人ストアを開発し、本格的な提案を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大を心配し、自宅から極力外出を控える動きもある。“移動しない”というワードが新たな付加価値として注目されそうだ。


「Store600」を取り入れマンションでの新たな価値提供
に意欲を示す、日鉄興和不動産の猪狩氏(右)と600の久保氏(左)

同社はファミリー向けの「リビオ」シリーズなど分譲マンションを展開。2020年の首都圏マンション販売戸数は6位(不動産経済研究所調べ)に。主に単身向けをターゲットに置く「リビオレゾン」シリーズも展開しており、1LDKの供給戸数では首都圏2位(マーキュリー「サマリネット」調べ)になるなど存在感を強めている。

単身向けを得意とする同社で、他社との差別化を図るため、2019年に取り入れたのが、「600」社が運営する「無人コンビニ600」だ。無人コンビニ600は、建物の中に飲料などが入ったケースを設置し、クレジットカードを使ってキャッシュレスで、商品の購入ができるというもの。日鉄興和不動産が最初に導入したのは東京・板橋区で売り出した「リビオレゾン板橋本町ステーションサイド」。「高速沿いで、駅から2分。アプローチに何もなく寂しい」(日鉄興和不動産)などから無人コンビニを導入。「外に行かずに買い物ができる」など評価は上々だった。その後、社内から、他の物件でも取り入れたいとの声が挙がり、2020年3月に同社は600社と資本業務提携を締結し、「原則、新築マンション全物件に設置する方針」(常務執行役員・猪狩甲隆氏)とした。

ところが、いざマンションへの導入を本格的に考えると意匠性や商品ラインアップ、設置環境などで課題が発生した。例えば、同社では高額物件の「グランリビオ」シリーズも分譲マンションとして展開するが、マンションのホテル風のラウンジなどに合わなかったり、菓子や飲料、カップ麺など商品ラインアップがオフィス向けだったため、居住者の様々な商品ニーズとのずれが生じていたりしていた。また、エントランスに置くため、温熱環境が一定にならず、結露が発生するといった設置環境の面でも問題があった。

マンション専用の無人ストア「Store600」の使い方

こうしたマンション設置での課題を解消するため、600社と新サービスの企画・開発に着手。猪狩氏は「マンションに不可欠な機能や要素を加え、若手社員が中心となり、社内ワークショップや顧客インタビューなどを行いながら、マンション用の無人コンビニを開発した」と明かす。

それで誕生したのがマンション専用の無人ストア「Store600」だ。課題であった意匠性については、「マンションという環境に合わせた、インテリアに自然に溶け込むスタイリッシュなデザインを意識し、分譲マンションにふさわしい高級感を追求。また、マンション内のワークスペースやカフェスペース、キッズスペースといった多様な場面にも馴染む、シンプルながら意匠性を追求したデザインを実現した」(600社代表・久保渓氏)。また、販売する商品も常温管理ができるものにしたことから、商品を置くケースには冷蔵機能が必要なくなり、設置環境による結露発生の課題を解消した。

商品の購入はこうだ。スマートフォンにダウンロードした専用のアプリから、クレジットカードなどを含めた情報を入力し、会員登録すれば準備は完了。ケースは施錠されているため、扉にはられたQRコードをスキャンすると解錠され、好きな商品を取り出す。取り出したら、商品に貼られているQRコードを読み込み決済は終了する。

購入商品の検知方法を、これまでのICタグを使ったRFIDと呼ばれる手法から、QRコードの読み込みに変更したことで、販売可能な商品点数が2、3 倍に増加。これにより、多種多様な商品ラインアップが可能となり、居住者の幅広いニーズに対応できるようになった。

マンション共用部に設けられるラウンジやキッズスペース、ワークスペースに合わせて「Store600」の商品構成などが変わる

商品の補充などは、マンションの管理人や外部の業者が行うという。

日鉄興和不動産では今後、マンションの戸数や特徴に応じてStore600を設置する。「リビオ」「グランリビオ」シリーズでは共用施設内に用途に合わせた商品構成で設置。例えばラウンジであれば、スイーツや贈り物、キッズコーナーだと絵本やおもちゃなどを考えている。猪狩氏は「地域で人気のある高級スイーツなどを置いたりしながら、居住者での交流を深めてもらいたい」とコミュニティーの場としても期待する。「リビオレゾン」シリーズでは、日用品を中心に、生活利便性向上やストッカーとしての役割で設置し、単身世帯のニーズに応える。ワークスペース向けとしてコーヒーマシンなどの併設も検討していく。

首都圏以外のエリアでもStore600を使いながら分譲マンションの販売を広げていく考えだ。今年中に、関西、九州、それぞれのエリアで開発するマンションにも設置を計画する。猪狩氏は「今後、継続して毎年20台程度のStore600を、原則として日鉄興和不動産が開発するすべてのマンションに設置していく」と話している。

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特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

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現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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