リアルショールームのいま
リフォーム・リノベで存在感強まる
新型コロナウイルスの感染拡大から住生活産業でも急速に進んだVRなどを使ったバーチャルなショールーム。
リアルなショールームの役割を終えたとの見方もあったが、コロナ禍から1年。
意外にもリアルなショールームの存在感が強まっている。
特にリフォーム、リノベーション分野での動きは活発だ。その理由に迫った。
リアルの利点は"発見"や"気づき"
リフォーム工事の単価アップはコミュニケーションが鍵
コロナ禍から1年。初めて緊急事態宣言が発出され昨春は、住生活産業でのショールームは休館を余儀なくされた。その合間を縫って出てきたのがVRなどを使ったオンラインでのショールームだ。各社こぞって導入したオンラインでのショールームだが、この1年の評価を尋ねると、「いまいち」との反応がリフォーム・リノベーション分野で多く返ってくる。その理由はどこにあるのだろう。
(一社)住宅リフォーム推進協議会の調査によると、リフォーム工事に実際に支払った費用が検討時の予算額よりも平均で約3割増える中でも、8割以上の住まい手がリフォーム事業者に対して満足している。「水回りのグレードアップなどリフォーム事業者の提案力が高まっている」(同協議会)ことが背景にあるようだ。
リフォーム検討者の予算額は平均279万円。実際の費用(補助金も含む)は平均で356万円と77万円上回っている。リフォームへの支出金額が予算を上回っている理由として目立つのが「予定よりリフォーム箇所が増えた」(49.0%)、「設備を当初よりグレードアップした」(45.4%)など。主な工事内容として、戸建ては「外壁/屋根・天井/床・基礎への断熱材の設置工事」(20.3%)や「窓ガラス・窓サッシ等の改良」(18.0%)、マンションは「浴室改良」(18.0%)が目立つ。「マンションはそれぞれの目的に応じてリフォーム内容をアップグレードしている模様」(同協議会)。
こうして検討段階よりもリフォーム費用が増えている中、リフォームをした人のうち82.2%の人が事業者への満足を示した。特に事業者選定時に「要望に対する理解力」を求めた人での満足割合は高く94.0%に。「担当者の対応・人柄」重視者の88・3%が事業者に満足していた。「要望への対応力や十分な情報提供により、その事業者への満足度が高まるものと考えられる」(同協議会)。
客とのコミュニケ―ションの善し悪しが、支出金額に大きく反映すると言っていいだろう。「オンラインだと、なかなかお客とのコミュニケーションがとりづらい」と本音を漏らすリフォーム・リノベ関係者も少なくない。
コロナ禍でのオンラインに対する消費者の反応はどうだったのだろうか。
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