東栄住宅、戸建分譲の付加価値提案を強化
独自のテレワークスペースを提案
飯田グループホールディングスの東栄住宅は、激化する戸建分譲市場に対応するため、戸建分譲住宅の付加価値提案を強化する。今回、その一環として独自のテレワークスペースを開発した。
東栄住宅では、昨年10月に営業部門長の髙野慎太郎本部長が戸建事業本部内に企画マネージャーという役職を新たに設置し、同社の分譲住宅ブランド「ブルーミングガーデン」の付加価値提案の一層の強化に向けた取り組みを開始した。
「競合他社はデザインや空間の使い方などの点で様々な工夫を行っており、もはや立地や価格だけでは戦っていけない。注文住宅に引けを取らないような付加価値提案をしていかなければ埋もれてしまう」と、戸建事業本部の手塚慎哉企画マネージャーは自身の感じた危機感について話す。
無駄になりがちな階段横に
テレワークスペース
今回、東栄住宅は同事業部から、コロナ禍で高まるテレワークニーズに対応した新たな空間の提案を開始した。
これまでも、同社ではLDKの一角にカウンターデスクを設置するなどの対応を行ってきたが、住宅購入検討者へ行っているアンケートで、「ここ1、2ヶ月でテレワークスペースの需要が本格化してきた」(同)とし、今回の新提案を通じて対応をより強化する。
今回提案を開始したテレワーク対応の空間は「マルチスキップ」というもの。1階のLDKから2階に上がる階段の横のスペースに設けた小上がりの空間で、床面に人口畳を採用した和テイストの「wa-ko(わーこ)」と、フローリングを採用した洋テイストの「yo-ko(よーこ)」の2つのデザインバリエーションを揃える。「無駄なスペースになりがちな階段横のスペースを活用することで、限られた居住面積でもテレワークスペースを無理なく設けられるように工夫した」(同)という。
マルチスキップでは、備え付けのカウンターデスクの下に足を入れられるようにしており、掘りごたつのような感覚で使用できる。また、空間の上部は吹抜けとしており、開放感を出すように工夫した。
マルチスキップは、テレワークスペースだけでない様々な活用方法も想定。例えば、「テレワークで使っていないときは、子どもが寝転がって遊ぶスペースとしても最適」(同)としている。
東栄住宅は「マルチスキップ」を、3間前後の狭い間口の縦長敷地の分譲住宅で主に採用していく考えだ。また、縦長敷地以外の分譲住宅に向けた新たなテレワークプランを検討中だという。
さらに、今後は、商品企画の付加価値強化の一環として、テレワーク対応以外にもコロナ禍のニーズに対応した提案を行っていく方針。例えば、住宅購入検討者のアンケートで要望の多い、玄関手洗いの設置も進めている。
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