東急、タブレット端末でシニアの生活を支援
NECと共同開発し実証実験を実施
東急は、シニア向けのタブレット端末を活用した在宅生活支援サービスをNECと共同開発した。買い物代行サービスや電球交換などの軽作業がタブレット端末から簡単にできるようにし、東急沿線住民の利便性を高める。
65歳以上の高齢者人口の割合が3割に迫る超高齢社会を迎える中、シニアのひとり暮らしも増えている。このため、生活に必要な食料品や日用品の購入が難しくなる、いわゆる「買い物難民」問題が各地で顕在化するなど、高齢者の孤立を防ぐ取り組みへのニーズが年々高まっている。同社はNECと共同で、タブレット端末でシニアの在宅生活を支援するサービスを開発。3月末まで実証実験を行っている。
サービスは、最先端のデジタル技術とコミュニケーションロボットPaPeRoで培ったノウハウを盛り込んだNECのシニア向けタブレット端末「Tablet PaPeRo」に、東急が手掛けるホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」を連携し、展開する。
提供するサービスの1つが買い物代行。端末画面に示された生鮮食品を中心とした欲しい商品をタップするだけで、買い物が可能に。午後3時までに申し込みをすると翌日午後2~5時に自宅へ、東急ベルが届けてくれる。商品代金は、その日に現金で支払う仕組みで、サービス利用料は別に1回110円支払う。
また東急ベルは、東急線沿線を中心に、客の暮らしをより便利で快適にするため、困りごとを解決する「家ナカ」サービスを展開している。例えば、電球の交換や家具の移動といった軽作業から、部屋の掃除・片付け、洗濯、料理などの家事も代行する。他にも不用になった家財の仕分け・梱包・搬出・買い取り・処分までを一括対応したり、庭木剪定も1本から対応したりする。こうしたサービスも、タブレット端末の操作だけで申し込むことができる。支払いは「提携先の事業者によるが、現金かクレジットカード払いが基本となる」(同社)。
他にも一人暮らしのシニアのコミュニケーションをサポートするため、タブレット端末を通じて、離れて暮らす家族へ伝言の送受信が可能に。家族が登録した病院の予定やごみ出しの日などの予定も通知することもできる。
3月末まで行う実証実験の結果を踏まえ、同社は今後のスケジュールを決めていく考えだ。同社は今回の実証実験を通じて、「家の中で、どういったサービスにニーズがあるのかを確認し、今後、シニア向けに提供する在宅生活支援のサービスを探っていきたい」と話す。
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