2021.1.14

(一社)全日本災害住宅レジリエンス協会 日本初、災害復旧工事のプラットフォーム

職人などを組織化し工事を手配

自然災害後、いつまでもブルーシートがかかった家——そんな状況を打破しようと(一社)全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)が活動を開始した。被災住宅の復旧工事支援や応急処置などに取り組む。


JRD(東京都中央区、池田大平代表理事)は、全国の優良な建設工事業者のプラットフォームを構築し、自然災害における被災住宅の応急処置対応や損害範囲の調査など住宅の機能復旧工事を行う。

中心となったのは屋根材メーカーのディートレーディング(東京都中央区、藤山大介代表取締役)。2019年の台風19号の被害が発生した折、同社は被災地である千葉県に赴き、調査や被災住宅の復旧工事を行った。その折に痛感したことは、地域の工務店、職人が手いっぱいとなり迅速な復旧対応が難しい状況であったことだ。全国規模で見れば職人はいても、それを取りまとめる人がいない。事実、未だにブルーシートがかかっている建物もある。こうしたなかで悪徳業者の出現などの問題も出ていた。

同社は自社製品(ディーズルーフィング)を施工する屋根事業者の全国ネットワークを持っており、これを生かす仕組みづくりを検討した。塗装で社会貢献を行う塗魂ペインターズをはじめ、雨漏り119など全国的な組織を持っている外装団体との連携を主軸に、公共性の高い事業となる社団法人の組織化に至った。

組織は、エンドユーザーと接点を持つリフォーム会社などのユニット会員と、外装を中心とした職人系の専業会員で成り立ち、会員規模は約500社でのスタート。全国12エリアのブロック会を設けて活動を進め、12月から具体的に会員の登録作業に入った。協会の主な事業内容は①被災住宅の迅速かつ適切な復旧工事支援事業、②災害二次被害対策や住宅復旧工事の技術開発・研究、③家屋応急処置や住宅復旧工事に資する研修や認定事業、④各ブロック地域活動における減災リフォームの啓蒙活動——の4点だ。まず優先的に取り組むのは①で、現在、既存取引企業や国内大手損保会社等との提携にて工事体制のスキームづくりを急いでおり、セールスフォースや共通クラウド等のITツールを駆使したオペレーションシステムを構築中である。

全国ネットワークで被災住宅の復旧工事の支援に取り組む

災害が起こった時の対応は、現地対策本部をつくり、そこで活動できる会員を募り対応を進める。被災住宅の復旧工事はさまざまなレベルが考えられるが、迅速な復旧を第一に考え、まずは屋根、外壁、開口部という住宅の外装を中心に据える。工事価格も協会の標準的単価を設計している段階である。

また、復旧工事の手前の応急処置も重要な課題。屋根にブルーシートをかけるために多くの居住者がケガをし、また死亡事故も起こっている。また、ブルーシートがかかったままでは見積もりができないが、見積もりした後に再度掛け直さなくてはならないといった問題もある。協会では、耐久性の高いシートの開発や研究なども進めている。

先に設立総会を開催、その活動を本格化させた。すでにトライアルで工事を手掛け始めており、実績を積み始めている。「まずは、しっかりとした仕組みづくり、そして研修会を通じて会員のコンプライアンス、また、協会のルールの徹底に取り組む」(鈴木淳一事務局長)とする。

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ハウジング・トリビューンVol.624(2021年14号)

特集:

巨大な潜在市場が動き出す

2015年のいわゆる「空家特措法」施行から6年が経過する。
国は大きく利活用と除却の二方面から、制度改正や補助事業などを通じて空き家対策を進めてきた。
発生の抑制や除去などに一定の効果が出ているが、利活用についてはなかなか火がつかなかった。
空き家問題には数多くの課題が横たわる。
今、こうしたその散在した課題を解決するサービスが続々投入されている。
さらに、コロナ禍は空き家市場にとってマーケット拡大のきっかけになる。
テレワークの普及により、多拠点居住や多拠点ワークを行う「場」として空き家に関心が高まっているからだ。
今年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、空き家の活用を「新たな日常」に対応した新しい住まい方の実現の1つに挙げている。
また、6月18日に閣議決定された骨太の方針でも空き家について言及。
「先進的取組や活用・除却への推進等の支援」などをしながら、既存住宅(ストック)市場の活性化に結び付ける考え方を明確にした。
こうした空き家への関心の高まりを追い風に、いよいよ空き家マーケットの誕生の期待が高まる。
国が掲げる2030年に14兆円のストック市場の実現可能性が見えてきた。

目次

HTʼs eyes

土石流が人災であったとしても
大規模盛土造成地の点検スピードアップを

ストック市場のけん引役になるか
空き家ビジネス
巨大な潜在市場が動き出す

TOPIC&NEWS

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INTERVIEW

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木が求められる時代に材木屋を再定義
感動を与えられる商品・サービスを充実

CLOSE UP

三井ホーム 中大規模木造マンションブランドを創設
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ビスダックジャパン パネルを活用した木造システム工法を開発

脱炭素化でギアチェンジ
加速する住宅省エネ化 動き出す断熱材市場

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リンナイ 入浴に新たな価値を! さらに上質なお風呂時間を実現

連載

[国産材を活かす㉓]『ウッドショック』下の木材利用③
林材ライター 赤堀 楠雄 氏

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