2021.1.8

建産協、IoT住宅の国際規格化でステップアップ

IECから組織設置の承認 2022年発効へ

(一社)日本建材・住宅設備産業協会(建産協)が進める、IoT住宅用の新しい建材、設備の機能安全規格の開発に向けた取り組みが一段ステップアップする。国際電気標準会議(IEC)から、新規国際規格の提案のための組織設置の承認を受けた。早ければ2022年度までに最終国際規格案を策定し、国際規格の発行を目指す。

IoT住宅用の国際規格のイメージ

建産協は国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で、経済産業省からの受託事業として2019年度から3カ年の計画で「IoT住宅普及に向けた住宅設備機器連携の機能安全に関する国際標準化及び普及基盤構築」に取り組む。

現状では、設備機器の個別の安全性は担保されていても、それらをネットワーク化したうえで安全に作動させる指針がない。

例えば、空調システムと火災検知システムと窓開閉システムが連携した空間で火災が発生した場合、温度情報に基づき空調システムは、「窓を閉めて冷房運転を開始」しようとする。

一方で、火災報知システムは、「火災発生と判断して窓を開ける」動作を行おうとする。そこで、機能安全規格を定め、どの動作を優先させるかをルール化しておくことで、窓開閉に対して動作指示のコンフリクトが起こる、といったことを防止する。

建産協では、日本提案の機能安全規格「IEC63168」の整備を日本主導で進め、国際標準規格化することを目指している。また、ユーザーの誤作動や誤使用、機器の性能限界などによるハザードを未然に防止するため、電気自動車などを参考にしながら、安全規格「IoT住宅版SOTIF規格」(IEC 6XXXX)の開発にも取り組んでいる。

例えば、外出先から給湯器や空調システムなどをスマートフォンで操作をするケースでは、「運転」に関する動作指示の設定が、給湯は1回、空調は2回(1回目の後に再度運転確認)であれば、操作表示が似ているため、ユーザーは、空調動作をしたつもりが1回しか押さずに未稼働のままで室温が上がった状態になるリスクなどが想定される。SOTIF規格では、こうした建材、設備の設計上の限界を想定し、どう補うのかをルール化する。

建産協は2019年度に、IoT住宅版SOTIF規格の骨子案を作成し、2020年度、国際電気標準会議(IEC)内に、新規国際規格の提案のための組織設置の承認を受けた。2021年1月からWEB会議などを通じて提案活動を開始し、SOTIF規格について作業原案(WD)の段階から委員会原案(CD)の段階までブラッシュアップし、2022年度~2023年度に、機能安全規格「IEC63168」と、IoT住宅版SOTIF規格「IEC 6XXXX」の国際規格化を目指す。

Housing Tribune最新刊

住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜日発売。年間購読者には電子版News Report「Housing Tribune Weekly」を配信しています。

ハウジング・トリビューンVol.613(2021年2号)

特集:

新たな暮らしに求められ、急拡大する新市場

新型コロナウイルス、デジタルテクノロジー、新交通など社会がドラスティックに変化しつつあるなか、人々の暮らしも大きく変わりつつある。
これまで暮らしのなかでのニーズや困りごとに対して、さまざまな住生活サービスが提供されてきた。
しかし、社会環境や生活スタイルが大きく変わり、また、さまざまな分野での技術革新が進むなか、住生活サービスにおいてもパラダイムシフトが起こっている。
今、どのようなサービスが求められ、急成長しつつあるのか――。
6つの新・生活サービスを追った。

目次を見る

関連記事