2020.11.20

エンジョイワークス、不動産特定共同事業で国内初の新スキーム

古民家再生などにより投資家が参加しやすく

エンジョイワークスは、葉山の古民家利活用事業に、ファンド運用期間中にデジタル化された有価証券(セキュリティトークン)を譲渡できるスキームを導入。より投資家が参加しやすい環境を整えた。

エンジョイワークスが宿泊施設として再生に取り組む、葉山の古民家

エンジョイワークスは、不動産特定共同事業法の枠組みを利用して空き家活用を推進し、鎌倉を中心にまちづくり事業を展開する。

2017年12月に改正された不動産特定共同事業法では、新たに小規模不動産特定共同事業者という枠組みが創設された。これまで大手不動産会社が中心であった不動産特定共同事業の登録要件が緩和され、中小不動産にも門戸が開かれ、投資家と契約締結などの一連の手続きがオンラインで完結できるようになった。

エンジョイワークスは不動産特定共同事業の枠組みを活用しながら、まちづくり〝参加型〟クラウドファンディングサービス「ハロー!RENOVATION」を展開し、地域に残る空き家などを活用したまちづくりを進める。

しかし、「ハロー!RENOVATION」で募集するファンドは、出資者が長くまちづくりに参加する機会として捉え、5年程度の比較的長期の運用が中心になっており、運用期間中の換金は困難だった。

「ハロー!RENOVATION」に導入するSTOスキームのイメージ

ファンド運用期間にトークン譲渡
より空き家活用を進めやすく

そこで、現在「ハロー!RENOVATION」において募集中の「葉山の古民家宿づくりファンド」に、LIFULLおよびSecuritize Japanが提供する不動産特定共同事業者向けのSTO(セキュリティトークン発行による資金調達)スキームを導入することを決定した。

セキュリティトークンとは、ブロックチェーンなどの技術を使って発行されたデジタル化された有価証券のことで、2020年5月に施行された改正金商法でセキュリティトークンが正式に位置づけられた。

今回、STOスキームの導入により、「葉山の古民家宿づくりファンド」の出資者は、ファンド運用開始後、LIFULLおよびSecuritize Japanが提供するプラットフォーム上でのトークン譲渡により、第三者への持分譲渡が可能になる。ファンド運用期間中の出資持分流動性が高まり、投資家が参加しやすくなり、まちづくりの仲間を増やす効果などが期待できる。空き家活用、まちづくりをより推進しやすくするためのスキームとして注目集めそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.610(2020年22号)

特集:

災害広域化に備え、求められる数、速さ、居住性

近年、大規模な自然災害が相次いでいる。平成22年度から令和元年度までで半壊以上の住家被害が1000戸以上の災害は東日本大震災をはじめ13災害に上る。令和2年も熊本県などに大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」が発生。死者・行方不明者80人超、家屋被害は全半壊だけで6000戸に及んだ。今年は新型コロナウイルス感染症という、これまでにない問題も発生し、これまで以上に避難生活から仮設期の暮らしへのスピーディーな移行が求められる。

応急仮設住宅は、「建設型」での対応が行われていたが、災害被害の拡大にともなってより多くの住宅が必要になったことで「みなし仮設」とよばれる「賃貸型」が導入、その活用が広がった。そして、今、注目を集めているのがトレーラーハウスやムービングハウスなどの移動式仮設住宅だ。

今後、南海トラフや首都直下などの大地震による想像を絶するほど大規模な家屋被害も予想される。それだけに仮設期の住宅供給をどうするのかを平時の今から考えなければならない。移動式仮設住宅は、プレハブや木造などの仮設住宅、民間住宅などを借り上げる「みなし住宅」に次ぐ3つ目の柱になるのか――。移動式仮設住宅の可能性を探った。

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