2020.10.23

積水ハウス、男性の育休取得が徐々に浸透

積水ハウスの“イクメン休業”取得率は100%続く

積水ハウスは「イクメン白書2020」を発表した。男性の育休取得率は昨年の9.6%から12.8%に上昇。男性の育児休業取得をよりよい社会づくりのきっかけとしたいと展開する「イクメン」が徐々に浸透している。

男性の育休取得推進のために効果的と思うこと(複数回答)

同社は、イクメン休業を通じて、子どもが3歳に達する日の前日までに1ヵ月以上の育児休業を取得完了することを推進。全国で「男性の育児休業取得が当たり前になる社会の実現」を目指し、住まいを通じた「幸せ」を提案する住宅メーカーとして人間性豊かな住まいと環境づくりを進めている。2020年8月末時点で、取得期限を迎えた男性社員670人全員が1カ月以上の育児休業を取得しており、19年2月以降、取得率100%を続けている。

また、独自に9月19日を「育休を考える日」と制定し、社会全体で育休について考えてもらうきっかけづくりの提案も始めている。

イクメン白書は、この日を踏まえて発表。全国の小学生以下の子どもを持つ20代~50代の男女9400人を対象に調査を実施した。20年の男性の育休取得率は12.8%と前年より3.2ポイント増えた。育休取得期間として最も多かったのは「1週間未満」で全体の6割に上った。1カ月以上も18.1%あり、前年より5ポイント増えた。育休の満足度については8割を超える人が「満足」と回答。前年より14ポイント上昇した。

男性の育休制度について尋ねると、男女共に8割以上(男性84.8%、女性82.4%)が制度に「賛成」。しかし、実際の育休取得となると、「取得したい」と答えた男性は60.3%、「夫に育休を取らせたい」と答えた女性は51.1%にとどまった。

育休を取得しなかった男性にその理由を聞いたところ、最も多かったのが「職場で育児休業制度が整備されていない」で36%だった。「職場が取得しにくい雰囲気」(27.9%)、「職場で迷惑をかけてしまう」(25.8%)など、職場環境が育休取得を阻む大きな要因となっていることが分かった。

調査では、男性の約8割が家事・育児に幸せを感じていることも判明。家事・育児に幸せを感じる男性は、幸せを感じない男性に比べ家事・育児スキルが高く、仕事に対する生産性の向上や会社への愛着も向上していることが分かった。

イクメンフォーラム開催
意識改革の重要性確認

また、イクメン白書の発表に合わせ、同社はフォーラムを開催。この中で、前内閣府男女共同参画局長の池永肇恵氏やNPO法人ファザーリング・ジャパン ファウンダー・代表理事 安藤 哲也氏、ジャーナリストの治部れんげ氏、同社執行役員の伊藤みどり氏らはパネルディスカッションで、男性の育休について話し合った。池永氏は「制度の問題もあるが意識の問題が大きい」と指摘し、社会全体での意識改革を求めた。

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ハウジング・トリビューンVol.610(2020年22号)

特集:

災害広域化に備え、求められる数、速さ、居住性

近年、大規模な自然災害が相次いでいる。平成22年度から令和元年度までで半壊以上の住家被害が1000戸以上の災害は東日本大震災をはじめ13災害に上る。令和2年も熊本県などに大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」が発生。死者・行方不明者80人超、家屋被害は全半壊だけで6000戸に及んだ。今年は新型コロナウイルス感染症という、これまでにない問題も発生し、これまで以上に避難生活から仮設期の暮らしへのスピーディーな移行が求められる。

応急仮設住宅は、「建設型」での対応が行われていたが、災害被害の拡大にともなってより多くの住宅が必要になったことで「みなし仮設」とよばれる「賃貸型」が導入、その活用が広がった。そして、今、注目を集めているのがトレーラーハウスやムービングハウスなどの移動式仮設住宅だ。

今後、南海トラフや首都直下などの大地震による想像を絶するほど大規模な家屋被害も予想される。それだけに仮設期の住宅供給をどうするのかを平時の今から考えなければならない。移動式仮設住宅は、プレハブや木造などの仮設住宅、民間住宅などを借り上げる「みなし住宅」に次ぐ3つ目の柱になるのか――。移動式仮設住宅の可能性を探った。

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