相次ぐテレワーク対応の賃貸住宅
"音"への悩み問題に対応するメーカーも
アフターコロナ・ウイズコロナでの暮らし方が模索される中、テレワーク対応の賃貸住宅を投入する住宅メーカーが相次いでいる。リビングダイニングで仕事をする人の割合が賃貸住宅では6割超と、持ち家などに比べて高いという調査結果もある。仕事に集中できる環境整備の提案が、今後、賃貸住宅でも活発化しそうだ。
大東建託は、テレワーク対応型の間取りプランを採用した賃貸住宅の販売を始めた。木造2階建て商品「KLEUR(クルール)」ではワークスペースや物干しスペースなど用途を限定せずに利用できる個室を提案している。また、10月には別の木造2階建て賃貸住宅で、可動式の間仕切りを採用し、必要な時にテレワーク空間が確保できる商品を投入する。
大和ハウス工業は、高遮音床や高遮音界壁を採用した3階建て賃貸住宅「GRACA(グラサ)」を売り出した。住宅でのテレワークで、最も多い悩みの1つが”音”に関すること。それに対応した形だ。
高遮音床には、一般的な鉄骨造を上回る遮音性能「LL-45」「LH-60」をスタンダード仕様にした。RC造のマンションと同等以上になる業界最高クラスの遮音性能「LL-40」「LH-50」を実現した「エクセレント仕様」も提案する。また、高遮音外壁には、一般的な賃貸住宅を2ランク上回る遮音性能「D-50」を「スタンダード仕様」に。高遮音床と同じように「エクセレント仕様」も提案。業界最高クラスの遮音性能「D-55」を取り入れた。
同社は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるテレワークの普及、外出自粛による在宅時間の増加に伴い、より快適な居住空間を求める傾向が強くなっている」としており、床と壁両面から遮音性能の向上を図った。
パナソニック ホームズは、テレワークには欠かせないインターネット環境に着目する。IoT賃貸住宅「YOUR MAISON(ユアメゾン)」で、最大1Gbpsの賃貸住宅向けシェア型インターネットサービス「iのぞみネット by PH光」を用意。建物に引き込んだ1本の光回線を各戸へ分岐することで、入居当日から、インターネットの利用が可能になり、快適な通信環境を居住者に提供する。
同社は首都圏在住者を対象にテレワークに関する調査を実施した。「テレワークをする際の条件として、多少値段が高くなっても欲しいと思う住まいの付加価値」を尋ねたところ、トップはインターネット環境だった。次いで「仕事に集中できる個室」、「テレワーク用の据え付けデスク・カウンター」が続いた。
今後、一定程度テレワークの浸透が見込まれている。それだけにテレワークスペースの確保にとどまらない、より踏み込んだ提案が、商品の差別化を図る上で重要になりそうだ。
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