公共建築に地域材を使う(下)
さまざまな工夫で課題に対応(4)
利用期を迎える国産材を活用して林業の成長産業化に導くにはどのような取り組みが求められているのか。
林材ライターの赤堀楠雄氏が地域で芽生える国産材活用の事例をルポする。
市有林を活用し、木造校舎を建設
鶴岡市が公共建築物の整備に当たって、分離発注方式で地域産木材を調達するシステムを採用したのは、2007年3月に完成した大淀川交流センターが最初のケースである。以来、昨年度に手掛けた南部保育園まで、同様のシステムを採用したのは合計12プロジェクトに達し、2011年度以降はすべての木造案件がこの方式で手掛けられている。
その中で、2015年3月に竣工した鶴岡市立朝日中学校の改築(建替え)事業では、初めて市有林材の活用にも取り組んだ。完成した建物は、木造2階建ての校舎棟(延べ床面積2992.75平方メートル)とRC造・SRC造・木造の混構造による2階建ての体育館(同2034.59平方メートル)、それをつなぐ渡り廊下(49.25平方メートル)、機械棟(52.20平方メートル)である。
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