AIを使いこなす“眼”
住宅産業の突破口
AI、AIと言われる昨今だが、実際に事業にAIを取り入れている企業は10%というデータもあり、その活用はまだ途についたばかりといえる。
住宅産業においてもインターネットで「住宅 AI」と検索すると「スマートスピーカー」という項目が大量にヒット、その利用の幅はまだ限定的だ。
こうしたなかで「人の眼」としての役割をAIが担う取り組みが加速している。
住宅着工の減少や職人不足など多くの課題が山積する住宅業界においてAIは光明を見付ける「眼」になりえるのか──。現状を探った。
AIの活用企業は1割にとどまる
突破口の糸口は業務担当者の“眼”
少子高齢化や人口減少による人手不足が国内産業の成長に影を落とし始めている。その解決策として期待されているのがAI(人工知能)だ。一括りにAIと言っても、機械学習やディープラーニング、自然言語処理、画像認識、機械翻訳、ロボット、チャットボット、RPAなどその活用は幅広い。
ところが、この期待とは裏腹に実装にまでこぎつけている企業は少ないのが実態だ。全国の財務局が企業約1300社を対象に実施した先端技術の活用状況調査によると、実際にAIを活用している企業は10.9%。クラウドやロボットで4割近い活用がある中、AIは1割程度にとどまっており、調査項目として挙げたビッグデータ、IoTを含めた5つの先端技術の中で最も少なかった。だからと言って活用への関心がないかというと、そうではない。先端技術を活用予定、検討中とした企業約800社が最も優先度の高い技術と回答したのがAIで、32%に上った。
それだけ期待値の高いAIで、なぜ活用の動きが今ひとつなのか。優先度の高い技術としてAIを挙げる企業が多い中、活用したくてもできない技術としてもAIは上位にある。理由として、IT技術者などの人材不足や費用対効果、理解不足などが多く挙がる。この中で「費用対効果」というワードに着目したい。
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