行政 |  2020.3.19

再エネ買取でFIP制度導入へ

市場価格に一定額を上乗せ

国は再生可能エネルギー施策で、欧州などで取り入れられているFIP(フィード・イン・プレミアム)制度を導入する。太陽光発電などの再生可能エネルギーの買取制度は、これまでの固定価格買取に加え、市場価格に一定額を上乗せする制度が創設される。


2月25日、政府は自然災害の頻発、中東等の国際エネルギー情勢の緊迫化、再生可能エネルギーの拡大など、電気供給を巡る環境変化に対応するため、「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」を閣議決定した。

法案では、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法)」の一部改正を行うが、その大きな柱は再生可能エネルギーの買取制度改革だ。

FIP制度のイメージ

現行のFIT(固定価格買取)制度は、国の決めた一律の価格で、電力会社が太陽光や風力などの再生可能エネルギーを買い取る。一方、今回新たに導入するFIP制度は、電力市場価格に一定の補助額(プレミアム)を上乗せしたかたちで、電力会社が再生可能エネルギーを買取るものだ。電力市場価格に上乗せする補助額は、市場価格の水準にあわせて一定の頻度で更新する予定。

電力市場価格は、1日の中で変動があり、朝や夕方などの家庭の需要がピークの時間帯に高くなる傾向にある。このため、FIP制度を活用し、こうしたピーク時間帯に売電することで、需要家は高い売電収入を得ることができる。

FIP制度の対象となる再生可能エネルギーについては、「競争力のある電源への成長が見込まれるもの」とし、現時点での詳細は未定。今後、調達価格等算定委員会で審議し、経済産業大臣が決定する。FIP制度導入のタイミングについても同じだ。

災害時の対策も強化
分散型電力システム構築へ

また、今回法案には、電気事業法を改正し、災害に強い分散型電力システムの構築に向けた取り組みも盛り込んだ。

具体的には、災害対応の強化や分散型電源の更なる普及拡大の観点から、分散型電源を束ねて供給力として提供する事業者(アグリゲーター)について、電気事業法上に新たに位置づける。その上で、サイバーセキュリティを始めとする事業環境の確認を行い、アグリゲーターの環境整備を行うことで、分散型電源の拡大を図る。

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