2020.3.3

国交省がマンション長寿命化の支援事業

先導的な取り組みに補助、4月に募集開始

国土交通省は「マンション長寿命化の支援事業」を創設。今後、急速に増加し大きな社会問題化する恐れがある高経年マンションの対策に本腰を入れる。


居住環境の悪化や、区分所有者の高齢化・非居住化(賃貸・空き住戸化)、管理組合の担い手不足などの問題をもたらす高経年マンション――。20年後には現在の約4・5倍の366・8万戸に急増する見込みで、早期の対応が求められている。

こうしたなか、国土交通省は高経年マンション対策に向け、マンションの長寿命化を支援する「マンション長寿命化の支援事業」を2020年度に創設、4月から募集を開始する。

マンション改修事業者などがマンション長寿命化に寄与する提案を行い、有識者検討会が検討・採択し補助を行う。

補助のタイプは「計画支援型」「工事支援型」の2タイプ。計画支援型は、長寿命化に向けた先導性の高い事業を実現するために必要な調査・検討などへ支援するもの。事業要件は区分所有者が10人以上で、耐用年数の2分の1を経過していること。補助額は定額500万円で事業実施期間は最大3年間。

工事支援型は、高経年マンションの長寿命化に向け、先導性が高く創意工夫を含む改修・修繕、建替の工事費用の3分の1を支援する。

対象となるマンションの要件は、25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定していること。修繕積立金額が長期修繕計画額と概ね一致している、もしくは計画より余裕があること。区分所有者が10人以上であり、耐用年数の2分の1を経過していること。また、取組みを行うマンションが所在する地方公共団体において、マンション管理に関する計画や条例等を策定している(策定見込みを含む)ことも事業要件となる。該当する地方公共団体は、国土交通省のホームページで後日公表する予定。

補助を行う工事の提案については、ライフサイクルコストの低減につながる長寿命化改修であることや、新たな技術の導入や工期短縮を見込める工法の工夫があるもの、多様なニーズに対応するものや防災性の向上が見込めるもの、地域づくりに貢献するものなどとする。

このうち、多様なニーズに対応するものについては、例えば単身高齢者世帯に向けて広い住戸を小規模な複数戸に分ける改修などを想定。

地域づくりに貢献する提案例として、空き住戸を転用し子育て支援施設や高齢者支援施設等の地域機能を導入する工事などを想定している。

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ハウジング・トリビューンVol.610(2020年22号)

特集:

災害広域化に備え、求められる数、速さ、居住性

近年、大規模な自然災害が相次いでいる。平成22年度から令和元年度までで半壊以上の住家被害が1000戸以上の災害は東日本大震災をはじめ13災害に上る。令和2年も熊本県などに大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」が発生。死者・行方不明者80人超、家屋被害は全半壊だけで6000戸に及んだ。今年は新型コロナウイルス感染症という、これまでにない問題も発生し、これまで以上に避難生活から仮設期の暮らしへのスピーディーな移行が求められる。

応急仮設住宅は、「建設型」での対応が行われていたが、災害被害の拡大にともなってより多くの住宅が必要になったことで「みなし仮設」とよばれる「賃貸型」が導入、その活用が広がった。そして、今、注目を集めているのがトレーラーハウスやムービングハウスなどの移動式仮設住宅だ。

今後、南海トラフや首都直下などの大地震による想像を絶するほど大規模な家屋被害も予想される。それだけに仮設期の住宅供給をどうするのかを平時の今から考えなければならない。移動式仮設住宅は、プレハブや木造などの仮設住宅、民間住宅などを借り上げる「みなし住宅」に次ぐ3つ目の柱になるのか――。移動式仮設住宅の可能性を探った。

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