2020.1.31

木のストローを東京五輪・パラの訪日客にPR

一般市民巻き込み1000万本プロジェクト始動

木のストロー1000万本を東京五輪・パラリンピック開催中の訪日客にPRしよう──。こんなプロジェクトが、アキュラホームの主宰する全国工務店グループSABMで始まった。


近年、廃プラスチック問題による海洋汚染が地球規模での課題として認識されており、使い捨てのプラスチック製ストローは、その海洋汚染の代表例とされている。既に大手外食店がストローの提供をやめるなど、削減への関心が高まり出している。それに代わるものとして、同社は廃材や間伐材などのカンナ削りを使った木のストローを提案。昨年国内で開催されたG20にかかわる会議などで木のストローをPRしてきた。今年は東京五輪・パラリンピックが開催されることから、期間中に訪日が見込まれる1000万人の外国人にも木のストローをPRし、世界からの関心をより高める考えだ。訪日外国人へ“おもてなし”として木のストローの提供を目指す。

プロジェクトに参加するアキュラホーム宮沢社長(前列中央)ら関係者

今回、同社などが取組むのは「あなたがつくる木のストローが地球の未来を救う『1000万本の木のストロー』プロジェクト」。アキュラホームグループ(アキュラホーム、アキュラホーム埼玉中央、アキュラホーム埼玉西、アキュラホーム東京中央、オカザキホーム、ハウスロジコム、福工房)とSABM会員7社(すまい倶楽部、大紘建設、ウィズホーム、プレストファーレ、クラス浜松店、パステルホーム、siori fact)が発起人となり、プロジェクトを推進。この取組みに賛同した有識者らも一緒になり、プロジェクトを盛り上げていく。

1000万本の木のストロー生産を実現するために、プロジェクトでは一般市民からの参加も募る。誰でも簡単に木のストローが製作できるよう、木のストローの材料となるカンナ削りのスライス100枚の他、スライスをストロー状に巻き付ける棒や、作り方の手順が書かれた製作シートなどが入ったキットを開発。2月1日から公開されるホームページに登録すると、この木のストロー製作キットが自宅や会社に送られてくる。そして、それぞれが製作した木のストローを返信用キットに入れ、送り返せば作業は終了。キットなどにかかる費用はアキュラホームが負担する。その後、アキュラホームなどが検品作業を行い、安全性などを確認する。出来上がった木のストローは、国立競技場近くに設ける「おもてなしステーション」などで外国人らに無料で配る。

プロジェクトを発表した15日、木のストローに興味のある一般市民ら30人を招き、ワークショップを開催。製作キットを使って、木のストローを作った。30代の主婦は「ストロー状に木を巻くところが難しかったが、とても楽しく作れた」と話した。

同社は「製作したストロー100本のうち90本を、このプロジェクト用に考えており、残りは家庭や会社などで、使って楽しんでもらいたい」と話す。一人で90本のストローづくりに参加した場合、単純計算すると1000万本のストローを生産するためには、11万人を超える人の協力が必要になる。宮沢俊哉社長は「森の国日本で、ストロー1本が環境問題解決になればと木のストローを始めた。一人でも多くの人が、このプロジェクトに参加し、環境問題を考えるきっかけにしてほしい」と強く協力を呼び掛けた。