住宅 |  2020.1.24

積水ハウス エコ・ファースト パーク4周年を記念し、シンポ

1.5度目指し、世界をリードする日本企業へ

積水ハウスは、茨城県古河市で展開するエコ・ファースト パークの4周年を記念したシンポジウムを東京都内で開いた。環境問題に関心のある企業関係者らが参加し、気候危機について考えた。


エコ・ファースト パークとは、環境に関する社会的課題解決のために住まいに求められることは何かを探求したい人を対象に、「住まいから社会を変える」ことを体感、理解できるスポット。2015年にオープンし、これまでに延べ1万人を超える人が訪れている。

シンポジウムでは、WWFジャパン専門ディレクター(環境・エネルギー)の小西雅子氏が「1.5℃をめぐる世界と日本と企業の動き」をテーマに基調講演した。このままの経済活動を続けると、今世紀末には世界の平均気温は4度上昇も。パリ協定では、その上昇を2度未満、さらに努力目標として1.5度未満に抑えることを求めており、世界各国での対応が問われている。小西氏は「現実には4度上昇にまっしぐら」と対策の不十分さを指摘。「(4度を)やや上回るような温室効果ガスが排出されている」と早期に対策に動く重要性を訴えた。

小西氏は気温上昇を1.5度に抑えた場合と2度との場合での、暮らしへの影響を説明。「洪水リスクにさらされる世界人口は1976〜2005年比で1.5度上昇だと2倍、2度だと2.7倍になる」と話した。熱波に見舞われる世界人口も1.5度なら14%だが、2度になると37%(約17億人増加)になるなど、努力目標を達成する必要性を説いた。

参加者がそれぞれ温暖化対策への取組みを意志表明した
「住まいから社会を変える」ことを体感、理解できるスポットであるエコ・ファースト パーク

また、小西氏は現在の世界の取組みを紹介。「時価総額で2.3兆米ドルを超える企業87社は1.5度未来にビジネスを整合させることを約束している」と説明。SBT(=企業に対して削減目標を設定するよう求めるイニシアチブ)が今年10月から1.5度に移行するなど金融面からのプレッシャーが起きている状況も触れた。その上で、「1.5度でなければ、もはや先進的な温暖化対策とはみなされない。日本企業も1.5度に取組み、世界をリードし、世界から選ばれる企業になってほしい」と訴えた。シンポジウムでは、エコファーストに取組む企業の環境(サステナビリティ)担当によるトークセッションも実施。積水ハウス常務執行役員環境推進担当の石田建一氏と戸田建設価値創造推進室副室長の樋口正一郎氏、ライオンCSV推進部長の小笠原俊史氏が、企業としてできる地球温暖化対策を話し合った。

シンポジウム終了後には、エコ・ファーストパークの施設見学を開催。地球温暖化対策を施した住宅や資源循環センターなどを視察した。

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特集:

ターニングポイントを迎える防災・減災

国をあげた防災・減災対策の取り組みが加速している。
キーワードは“気候変動×防災”だ。
これまで進めてきたダムや堤防などハードを重視した対策だけでなく、「危ない土地に住まない」、「自然の機能を活用する」など「災害をいなす防災」も重視するスタンスへのシフトである。
各省庁の施策も、自然生態系の活用やグリーンインフラの整備、ハザードエリアの利用規制、流域治水など、これまでとは異なる新たな取り組みが目白押しだ。
猛威を振るう自然災害のなか、まちづくり・家づくりにも新たな対応が求められる。

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