(一社)日本ホウ酸処理協会、第1回全国大会を開催
人手不足への対応など訴求
(一社)日本ホウ酸処理協会(荒川民雄代表理事・東京都千代田区)は、第1回の全国大会を開催した。会員に向け、人手不足への対応などで講演を行うなどし、会員間の繋がりを一層強化した。
SNS活用を推進 リフォームシフトを加速
防蟻のホウ酸処理施工に関する技術開発や施工指導を行う日本ホウ酸処理協会(JBTA)は、11月15日、会員間の繋がりを一層強化するため、第1回全国大会を開催した。
荒川代表理事(理学博士)は協会の今後の活動の方針を説明。重点施策の一つとして、SNSを活用した情報提供に力を入れることを示した。「人口減少で国内市場が先細る中、もっと一般消費者に働きかけて、様々な情報提供を行っていく必要がある。そのためにはSNSが有効だ。JBTAの参加事業者が一致協力していく」と話した。
また、新築からリフォームへの提案のシフトを加速させる必要性を強調。「リフォームへの提案のシフトは必須だが、中小企業単独では難しい。会員間で協力して取り組むことが非常に重要になってくる」(同)と話した。
GLTDの提供開始
会員に手厚い福利厚生
また、浅葉健介理事(日本ボレイト代表取締役)が、建築業界の人手不足への対応の必要性について説明。協会が新たに提供する「JBTA 給料保険」を会員へ訴求した。同保険は、JBTA 会員(正会員・準会員・賛助会員・施工協力会員)向けのオリジナル保険。会員企業は加入すれば、役員・従業員が病気やケガで就業が困難になった場合に、最大3年間一定額を月々保証する。
「JBTA 給料保険」は「GLTD」(Group LongTerm Disability、団体長期障害所得補償保険)と呼ばれるもの。欧米では大企業を中心に多くの企業が導入しており、日本でもこの1年くらいで人材確保のための訴求力として導入する動きが出てきているが、中小企業で導入しているところはほとんどない。JBTA はますます建築業界の人手不足は深刻化するため、新たな福利厚生制度を導入する必要があると考え、会員へ加入を求めた。
このほか、建築業界では一人当たりの労働生産性の向上がますます求められるとし、ウッドステーションの木造大型パネル工法を紹介。これは、住宅用資材として一般流通している構造材や金物、面材、間柱、断熱材、サッシ、防水シートなどを一体化した木造大型パネルを現場で組み立てる工法だ。大型パネルには、JBTA 会員が防蟻ホウ酸処理を行っている事例もあり、「非常に親和性が高い」と浅葉理事は話した。
SNS での情報提供、リフォームシフトへの強化、人手不足への対応、生産合理化など、新たな取り組みに次々に取り組んでいこうとしているJBTA——。今回の全国大会で会員間の繋がりを一層深めただけに、今後のさらなる施策にも注目が集まりそうだ。
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